2019-11-28

イ・セドルが引退するという。AIの進歩が、人間の精神に対してじわじわきている感じがする。

韓国の囲碁世界チャンピオンが「AIは倒せない存在だ」と引退(GIZMODO)

https://www.gizmodo.jp/2019/11/lee-sedol-to-step-down-from-go-champion-as-ais-are-undefeatable.html

《彼は囲碁から身を引いたのは、永遠に人工知能に勝てないことを受け入れたからだ、とYONHAPに話しました。》

囲碁でAIがデビューしたことで、必死に努力して1位になってもトップではないということがわかりました。私が1位になっても、勝てない存在があるのです》。

●別の記事。ディープラーニング

人間が深層学習のAIを理解できないのには、理由がある

(The Asahi Shimbun GLOBE+ )

https://globe.asahi.com/article/12872410?fbclid=IwAR1X7uY31UFV0RjQ1q1QsmR1RfvACujAYB3YXPu3tUgTOies2FUN9fp7emg

《これは単純に言うと、まさに「ディープ」だから、つまり深層構造を持っているからです。深層というのはどういうことかと言うと、データの入力層と出力層の間にある「中間層」で、データの変換を複数回繰り返すということです。そして繰り返すごとに、人間の直感から遠ざかっていって、機械しか分からない世界に移っていくんです。》

《データ分析で、人間が理解できるような予測と、精度が高い予測は一般的には両立しないんです。ディープラーニングでは、高精度な予測をするために、入力されたデータに何回も複雑な変換をします。ところが、人間の直感が通用する変換は限られているので、人間が理解するためにはそれに合わせて変換の自由度を下げなきゃいけないんです。そうすると、予測にいちばん効くような変換ができない可能性があるんです。》

《(…) ある意味、いちばんいい予測は、人間の理解の外側にいかないと達成できないことが示されてしまっているんですね。》

《(…) 先ほどの通り、ディープラーニングは人間の理解が追いつかない変換をしているんですが、その理解できないものを仮に明らかにしても、人間にとって意味があるかどうかはやはり分からない。ディープラーニングの考えていることは、ある程度は分かると思うんですけど、完全に人間が理解できるかというと、私にはまだちょっと展望がないですね。》

ディープラーニングの限界はまだ分かっていないと思いますね。ただし、ディープラーニングはすべての予測が完全にできるのかと言われたら、実はそうでもないんです。たとえばディープラーニングのシステムは、内部に割り算を持っていないので、きれいな割り算ってすぐにはできなかったりするんです。近似的にはできるので、まったくできないわけではないですが、そういう意味でもディープラーニングの限界はおそらくどこかには存在しているんですけれども、それはまだ分かっていない。それを明らかにするのも面白い研究テーマかもしれませんね。》

2019-11-27

sora tob sakanaの「パレードがはじまる」という曲。はじめて聴いた時には「難しい曲だなあ」という印象がまず前面に出てくるのだけど、何回も繰り返し聴いているうちに、だんだんと、「気持ちがいい」感じが前に出てきて、そのうちひたすら「気持ちいい」になっていく。

パレードがはじまる

https://www.youtube.com/watch?v=tSGBV3ogmUY

2019-11-26

●最近、あまり追いかけていなかったけど、星野源、すごいことになっていた。もはや巨匠という感じ。

星野源 – Same Thing (feat. Superorganism) [Official Video]

https://www.youtube.com/watch?v=Gs9Nf8VhFO4

星野源 – さらしもの (feat. PUNPEE) [Lyric Video]

https://www.youtube.com/watch?v=gb5jtBA8KFw

星野源 - 肌(Live at ONKIO HAUS Studio 2018)

https://www.youtube.com/watch?v=Sowqtzqq14E

2019-11-25

●いまさらだが、鎮座DOPENESS、すごい。

CHINZA DOPENESS - 64 Bars recorded in Tokyo|Red Bull Music

https://www.youtube.com/watch?time_continue=153&v=Z1NqtVTzXOg&feature=emb_logo

鎮座DOPENESS×Montelima 2017.12.1@熊本NAVARO

https://www.youtube.com/watch?v=NMD-Wrl3P8c

鎮座DOPENESS超絶FLOW集

https://www.youtube.com/watch?v=fPi3MJXZFJ4

U-zhaan × KAKATO(環ROY×鎮座DOPENESS) / Tabla'n'Rap

https://www.youtube.com/watch?v=xSdHgO6XWio

unkind LIVE:鎮座DOPENESS「Free Style Rap」

https://www.youtube.com/watch?v=RgsL01GX02E

2019-11-23

●時間のある時に、YouTubeで、初歩的な音楽のレッスン動画をちょこちょこ見ているのだが、これがとても面白い。音楽をはじめようということではないのだが、いろいろ刺激される。

●現代のポップミュージックにまで引き継がれている、伝統的なアフリカ的なクロスリズムについて。

菊地成孔 "ビュロー菊地チャンネル「モダンポリリズム講義 第6回」

https://www.youtube.com/watch?v=5PiAH9_Xem8

●このようなクロスリズム的な構造は、アフリカ的なリズムにだけ見いだされるわけではなく、「4拍3連(3連符4つ割)」と呼ばれ、もっと一般化して用いられているようだ。

これが出来るとリズム感が格段と鍛えられます【3連符4つ割】(宇田大志)

https://www.youtube.com/watch?v=OfbGMNBT2KA

4拍3連 ポリリズム解説(山背ドラムメソッド)

https://www.youtube.com/watch?v=dWbpmA2MlyI

●昔、サザンオールスターズに『わすれじのレイドバック』という曲があったけど、「レイドバック」というのはこういうことだったのか。

ジャズを演奏する人は必見、リズムの取り方について 【レイドバック、スウィングのリズムトレーニング】(宇田大志)

https://www.youtube.com/watch?v=udollUSeICM

ジャズのリズム、レイドバックについて徹底解説します(宇田大志)

https://www.youtube.com/watch?v=XFhCU32ZFVc

●基本的なことなのだろうが、なるほど。縦ノリの場合、音符が一つ一つ独立しているが、横ノリの場合は、音符同士が組みになっていること、つまり、一つの音が小節単位で形づくられるゲシュタルトの構成要素となっている、という把握でいいのだろうか。

縦ノリと横ノリの違い(山背ドラムメソッド)

https://www.youtube.com/watch?v=eB-Ly-mo__A

リズムのしくみ(山背ドラムメソッド)

https://www.youtube.com/watch?v=seulLarNxEA

2019-11-22

●完全には同意できないが、否定もしきれない、というようなものに、人は惹かれるのではないかと思う。何かに魅惑される時にはいつも、「ちょっとこれはどうなのか」という疑問や違和感がつきまとう。この違和感は常に意識される必要がある。「ヤバい」という表現は、この感じうまくあらわしている。これを肯定してしまうのはヤバいかもしれないのだが、これに惹かれてしまう自分のこのヤバい感情の動きを否定しきれない、というような。

(ここで、「完全には同意できない」は程度の問題であり、「あまりにも同意できない」場合は、それに魅惑されることはなく、たんに「引いてしまう」だけだろう。)

だから何かに魅惑されるということそれ自体が危険なことでもある。あるいは、何かに魅惑されるということ自体が「正しい」と言い切れることではない。あるいは、魅惑されることを「正しさ」によって正当化することはできない。肯定であると同時に否定でもある「ヤバい」という感じを保っていないと、魅惑されたものの否定的な側面に巻き込まれる恐れがある。いや、保っていても巻き込まれる時には巻き込まれる。何かに魅惑される時、その人は「正しさ」を踏み破る危険に触れている。

言いかえれば、「正しさ」を踏み越える危険を冒さなければ「魅惑」はやってこない。それはつまり、世界の「ヤバい側面」に触れられないということではないか。

(これは勿論、正しくなければ---悪をなしさえすれば---よいというような単純なことではない。「侵犯」みたいなことを言っているのではない。)

何かをまるごと受け入れる、ということは、それをまるごと肯定するということではない。肯定的な側面も否定的な側面も含めて、まるごと受け入れるということだ。肯定的なことは肯定的なこととして、否定的なことは否定的なこととして。そして多くの場合、ものごとの肯定的な側面と否定的な側面とは分かちがたく結びついているので、肯定的な部分だけを切り取って受け入れることはできない。何かを受け入れる時(何かに魅惑されていること受け入れる時)は、清濁併せ吞むしかない。

逆に、完全に同意できなければ没入できない(正しくなければ受け入れられない)という感じはよく分からない。というか、完全に同意できなければ没入できない(受け入れられない)という人が何かに没入してしまう(何かを受け入れてしまう)ことの方が、魅惑されるという危険よりも、さらに危険であるように思われる。