2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『珈琲時光』があまりに良かったので...

●『珈琲時光』があまりに良かったので、思わず、ホウ・シャオシェンの90年代の3作(『好男好女』(95)『憂鬱な楽園』(96)『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(98))+『珈琲時光』(03)の入ったDVDボックスと、(これは中古品なのだが)『ミレニアム・マンボ』(01)の…

ジャ・ジャンクーの『世界』

●京橋のメディアボックス試写室で、ジャ・ジャンクーの『世界』を観た。この映画についてはレビューを書く予定なので、ちょっとだけ。ぼくが今までに観たジャ・ジャンクーの映画(『一瞬の夢』『プラットホーム』『青の稲妻』)のなかでは、「作品」としては一…

●約束の時間があったり急いでいたりする時に、信号や踏切なんかにひっかかると凄くイライラする。特に、ぼくのアパートから駅までの間に、(大して道幅も広くないし車の量も多くない道路なのに)車の通る大通りの道の方の「青」ばかりがやたらと長く、そこを横…

ホウ・シャオシェンの『珈琲時光』で...

●ホウ・シャオシェンの『珈琲時光』で、一青窈の演じる娘のアパートに両親が訪ねてくるシーンがある。もともと会社の上司だった人の葬式が東京であるからというのが表向きの理由だが、実は両親は娘の妊娠について知りたがっている。母は娘に、相手はどんな人…

●おつとめ品で定価より150円引きだったカレイの切り身(3枚)に、塩と胡椒をすり込み、それに、パプリカ(黄色)を手でバリバリと引き千切ったものと、エリンギを手で引き裂いたものを加え、さらに軽く塩と胡椒をふって、オリープオイルをたっぷりめにかけ、少し…

プラザ・ギャラリーで、中垣直美・展

●仙川(京王線)の、プラザ・ギャラリーで、中垣直美・展(http://www2u.biglobe.ne.jp/~plaza-g/2005/nakagaki/nakagaki.html)。 ●例えばマンガやイラストレーションのように、はじめから印刷されることを前提に描かれる絵の場合は、その「原画」が必ずしもオ…

昨日の付足し。『珈琲時光』について。

●『珈琲時光』を観ると、かなり編集でスリムにしたような印象を受ける。例えば、寿司屋の脇で萩原聖人と話している若い女性の存在が浮いてしまっているのだが、これは、この女性にまつわるなんらかのエピソードがあったのに、それをまるごと切ってしまったか…

ホウ・シャオシェン『珈琲時光』(1)

●ホウ・シャオシェン『珈琲時光』をDVDで観た。何故この映画をもっとはやく観なかったのだろうか。これは素晴らしい。映画っていうのはこういう作品のためにあるのではないかとさえ思った。『ミレニアム・マンボ』が、珍しい野生動物の生態の記録みたいな映…

藤沢周『箱崎ジャンクション』(さらに、もうちょっと)

●昨日書いたことと関係するのだけど、一つの作品を「連載」というかたちで書き継いでゆくということはどういうことなのだろうか。「どういうことなのか」というのは、そのような書かれ方が、作品そのものにどのような影響を与えるのか、ということだ。全体と…

藤沢周『箱崎ジャンクション』(追記)

●昨日、藤沢周の『箱崎ジャンクション』について書いたけど、この小説は「文學界」に3年以上にわたって連載されたものだそうだ。昨日も書いたけど、この小説は、一つのモードというか、一定の気分がずっと持続しつづけるような小説で(その「気分」によってこ…

藤沢周『箱崎ジャンクション』

●藤沢周『箱崎ジャンクション』。ある人が、これは藤沢周にしか書けない小説だ、と言っていたので読んだ。 ●この小説は、物語なり、人物の関係なり、何なりが、展開してゆくような小説ではなく、ある一つのモードがずっと持続してゆくような小説だと思う。そ…

代々木のギャラリー千空間で、「あおによし2」

●代々木のギャラリー千空間で、「あおによし2」というグループ展(高崎賀朗、中村友香、平体文枝、堀由樹子、丸橋正幸、わだときわ)を観た。(観たのは昨日。) ●堀由樹子の作品は、今までのものとかなり印象がかわっていた。画面のなかを大きく、のびやかに動…

ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』(2)

●昨日、『ライフ・アクアティック』について書いたことは、ちょっと分かりにくくて強引だったかも知れない。映画のポストモダン的な話法というのがあるとする。例えばそれは、ティム・バートンだったりデビッド・リンチだったりナイト・シャマランだったりす…

恵比寿ガーデンシネマで、ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティ

●恵比寿ガーデンシネマで、ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』(これは昨日観た)。これは素晴らしい。一言で言えば、メディアを媒介とした「偽の懐かしさ」を基調にして、ファミリーとカンパニーのうつくしい嘘の物語を、ただ、個々のシーンの充…

京橋の南天子画廊で、中村一美・展

●京橋の南天子画廊(http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/nantenshi/)で、中村一美・展。「存在の鳥」と名付けられたシリーズの作品が展示されていて、文字通り、明らかに「鳥」のような形態が描かれている。画面の中央に近いところに配置された、鳥のクチバシか…

●今週の月曜日に髪を切ったのだけど、ぼくがいつも行く美容院は線路沿いの建物の二階にあって、線路側が一面大きなガラス窓になっている。月曜はとても天気が良くて、強い日射しが、線路脇の、もくもくと言うか、もりもりという感じで旺盛に繁っている紫陽花…

平山瑞穂『ラス・マンチャス通信』

●平山瑞穂『ラス・マンチャス通信』を読んだ。この小説は一つの小説としての統一感を欠いているようにみえるのだが、逆に、それによってある種の「通俗性」のようなものから救われているような部分もあるのかもしれない。第一章は、それだけで独立した短編と…

今月の「新潮」に乗っている椹木野衣の論考がつまらないのは、

●今月の「新潮」に乗っている椹木野衣の論考がつまらないのは、「うまい/へた」という価値観を相対化しようとして、結局その単純な二元論を強化してしまっているだけだからだ。(椹木氏がうまうま、とか、うまへた、とか言う時、おそらく糸井重里の、ヘンタイ…

損保ジャパン東郷青児美術館(南仏モンペリエ ファーブル美術館所蔵

●新宿の損保ジャパン東郷青児美術館までクールベを観るために行く。(南仏モンペリエ ファーブル美術館所蔵 魅惑の17-19世紀フランス絵画展) 『出会い、こんにちはクールベさん』というタイトルで有名な、ブルジョア風の立派な身なりの二人の紳士が、スケッチ…

●「6月の上旬までにやらなければいけないこと」をようやくやり終えることが出来た。途中、これは本当に「終わる」のだろうかと思ったこともあったが、やってみればちゃんと終わるものなのだった。しかし、ただやれば良いというのではなく、その質こそが問わ…

●ここのところ生活が著しく不規則なせいか、夜、眠ろうとしてもちゃんと眠れないことがよくある。そのためなのか、昼間、何の前触れもなくいきなり、泥沼のなかに引きずり込まれるような強い睡魔に襲われることがしばしばだ。その睡魔が、電車で座っているよ…

●家にいると、体調が悪いとかなんとか理由をつけて、ついついだらけてしまうので、喫茶店を何軒かはしごして、「やらなければならないこと」をする。おかげで、かなりはかどったが、コーヒーの飲み過ぎで胸がやける。「やらなければならないこと」をしている…

小説をめぐって

●「新潮」は毎月送って頂いているのだが、届くとまず目次を眺めて今月はどんなものが載っているのか確認した後、保坂和志の「小説をめぐって」を最初に読む。この保坂氏の連載は、毎月一定量のものを少しずつ読み続けるというような、連載であることに意味が…

「6月の上旬までにやらなければならないこと」を、期限までにやれそうな目星がようやくついた。とにかくこれをちゃんとやり切ってしまわなければ、読みたい本をゆっくりと読む余裕もないのだった。これはぼくにとってまったくの未知の経験で、辛いけど面白い…

●昼間のうちはなんとなく誤摩化していたものの、夜になって本格的に風邪っぽくなってきた。とにかく眠ろうと思うのだが、喉が腫れてひっかかる感じで、うとうとしたかと思うと咳き込んで目が覚めてしまうのだった。仕方がないので、テレビをつけてぼーっと眺…

●夜中、なんの前触れもなく、いきなり風邪の症状に襲われる。みるみる喉が痛くなり、鼻水がポタポタと垂れてくる。あまりに分かりやすく色分けされたような、唐突な体調の変化に唖然とする。というか笑ってしまう。

『東京大学のアルバート・アイラー/東大ジャズ講義録・歴史編』(菊地

●やばい。6月の上旬までにやらなければならないことがあり、結構ギリギリの状態で、今日は一日集中してそれをやろうと思っていたのに、ちょっと途中で息抜きに読み始めた『東京大学のアルバート・アイラー/東大ジャズ講義録・歴史編』(菊地成孔+大谷能生)が…

万田邦敏『極楽ゾンビ/胎児教育』

●「よりぬき偽日記」(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/yorinuki-i.html)に、『If I should Fall from Grace with God(映画、読書、その他・40)』を追加しました。去年の9月から10月半ば頃までの日記を編集したものです。 ●万田邦敏『極楽ゾンビ/胎…

三鷹市美術ギャラリーで、クールベ美術館展

●三鷹市美術ギャラリーで、クールベ美術館展を観た。 ●特に有名な代表作みたいのはなかったけど、割合と質の高い小品が何点か観られた。たんにリアリズムと言うよりも、狭義の近代絵画はクールベからはじまるわけで、そのがっつりした油絵の具の質感について…

●「よりぬき偽日記」(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/yorinuki-i.html)に、『an anxious object (映画、読書、その他・38)』と『UNDER THE VOLCANO (映画、読書、その他・39)』を追加しました。去年の6月、7月、8月に書いた日記を編集したものです…