2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

●調布市文化会館まで、野上亨介さんの新作の完成準備版の上映を観に行った。『磁気と火山』というタイトルで、ドゥルーズの『意味の論理学』のフィッツジェラルドに触れた章(というか、アル中についての章)からタイトルがとられている。今までの野上さんの作…

●『涼宮ハルヒの憂鬱』エンドレスエイトの5話から8話までをDVDで。最後まで面白く観られた。さすがに、中だるみを感じるところとか、単調にならないようにする工夫がうまくいってないと思われるところとかもあって、もうちょっとうまくやれるんじゃないかと…

●昨日チェーホフの「聖夜」を読んでから、「面影」と「見きわめること」について考えていた。 ●ある人の顔に、その人の父親の面影を見るという時、あるいは、その人自身の子どもの頃の面影が残っているという時、そこに見ているものは何なのだろうか。「面影を…

●がっつりと本を読むつもりで、鞄のなかにぎっしり本を詰め込んで喫茶店に出かけたのだが、席について最初に読み始めた、岩波文庫から出ているチェーホフの『子どもたち・曠野』の最初の三つのごく短い短編(「子どもたち」「いたずら」「聖夜」)を読んだら、…

●『東のエデン』を観ている時、「これはきっと『攻殻機動隊』の「個別の11人」の話を意識的に書き直したものなんだろう」と思ったので、改めて『攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG Individual Eleven』のDVDを借りてきて観た。改めて観ても、これはすごい面白い…

●『チェンジリング』(クリント・イーストウッド)をDVDで。この映画を観るのをずっと避けていた。もっとディープでヘビーな映画なのかと思っていたのだが、普通にイーストウッドの映画だったのでよかった。ちょっと、ほっとした。鼻の赤いアンジェリーナ・ジ…

●ジジェクは、性的差異は、象徴的なものの次元にあるのではなく、現実的なものの次元にあると書いている。その部分が面白いので、メモとして引用する。実は最近『源氏物語』を少しずつ読み始めているのだが(まだ「若紫」までなのだが)、以下に引用されてるよ…

●『東のエデン』の、一話から十一話まで一気にDVDで観た。アニメをこんなにまとめて観るのは久しぶり。一連の京都アニメーションの作品以降、真面目にアニメを観る気がまったくなくなってしまっていたのだけど、これは、面白かった。 とはいえ、さすが神山健…

●昨日の、「作品/作品じゃない」という話をもうちょっと。「日常/場違い」展で観たいくつかの「作品」が、「作品じゃない」ものによってしか捉えられない何かを示していて、それがとても面白かったと感じる時、では、なぜそれらを「作品じゃない」という風に…

●神奈川県民ホールへ「日常/場違い」展を観に行く。 ●関内駅で降りるのは、たぶん、去年の二月に「we dance」というイベントを観に開港記念館に行った時以来。横浜を歩くと、ぼくはいつも過去に戻るような感じになる。昔を思い出すというよりも、今の、この…

●あたたかかった。川沿いを散歩している時、汗ばんできてジャケットを脱いだ。冬の南浅川は極端に水の量が少なくなる。浅川と合流する手前のところでは、ほとんど水が流れていない。歩いていてなんか腰が痛い。 ●柴崎友香「海沿いの道」(「モンキービジネス…

●どちらが良いとか悪いとかいうことではなく、アクリル系の絵の具と油絵の具とでは全然違うということを、描いていてすごく感じる。制作する時間の組み立てがまったく違ってくる。それは、たんに油絵の具は乾かないってことでもあるけど、絵の具によって強い…

●テレビをつけたら、徹子の部屋に鳳蘭とその娘が出ていて、二人があまりに似ているので目が釘付けになってしまった。似ている、ということは何故こんなに面白いのか。いや、たんに似ていることが面白いのではなく、親と子が似ている(時間差?)、ということが…

●喫茶店で本を読んでいる時、ふと、制作のためのイメージがよぎる。それは、半ば、具体的な制作の手順に関することであり、半ば、もっと抽象的な、感触としか言いようのないもので、その両者が未分化に混じり合ったものだ。それは、その時に読んでいた本の内…

●夢が面白過ぎる。すごく鮮やかで、密度があって、空間がダイナミックで、展開が多様で、いくら寝ていても飽きないくらいだ。全部憶えていられないのが残念で仕方がない。『アバター』は観ていないけど、きっとぼくの夢の方が面白いと思う。一方、日常生活は…

●一時すごく流行っていた多重人格ものの物語は今ではすっかりすたれてしまったように思うのだが(臨床的にはどうなのだろうか?)、『臨床社会学ならこう考える』(樫村愛子)のなかに、多重人格は、実は多重人格ではなく「ポストモダン的ヒステリー」ではないか…

●ベケットが面白過ぎる。そして、酷すぎる。例えば次のような部分。『モロイ』(安堂信也・訳)より。 《入れ歯ばかりガタガタ鳴って言葉は不明瞭だし、たいていの場合、自分でもなにを言っているのかわからなかったようだ。私以外はだれにしろ、あのガタガタ…

●寒い。外から帰ってきて部屋の鍵を開けようとしても、手がかじかんで思うように動かなくて、なかなか鍵を開けることができない(ぼくは手袋をしないので)。なんとか鍵を開けてなかに入っても、内側からサムターンをまわすのもままならない。部屋のなかは外よ…

●『ラカンとポストフェミニズム』(エリザベス・ライト)。なんか胡散臭いタイトルだけど、とてもよい本だった。『アンコール』が翻訳されていない以上、ラカンの性別化の議論を知るためには、こういう本を読むしかない。それにしても、この本に何故、竹村和子…

●ロメールが亡くなったのは、ぼくにとって大きいことだ。ロメールとリヴェットとゴダールは死なないものだと思っていた。少なくともぼくが生きている間は。勿論、そんなことはあり得ないことは知っているのだが、それでも無意識の領域でそう信じていることが…

●引用、メモ。樫村愛子『「心理学化する社会」の臨床社会学』三章「ジェンダーと精神分析」より。男性が、自己言及的なパラドクスの場(言説の場)で隠喩を作動させる傾向があるのに対し、女性は、身体的退行的な場で隠喩を作動させる傾向があること(女性的隠…

●MOTに『回想のヴィトゲンシュタイン』の上映を観に行こうと思っていたのだが、朝方、昨日の日記を書いた後、少しだけ眠ろうと思って寝て起きたら、もう既に昼過ぎになっていて、すぐに出ても間に合わない時間だった。 ●昨年末から正月にまでずれ込んだ忙し…

●福永信「午後」(「新潮」2月号)。これはすばらしい。「すばる」1月号に載っていた「一一一一」は、決めすぎというか、整いすぎでイマイチだと思ったのだけど(「文藝」の「一一一一三」はまだ読んでないけど)、「午後」は、ABCDシリーズの前作「ここ」(「新…

●『血を吸う宇宙』(脚本・高橋洋、監督・佐々木浩久)をDVDで。これ、観るの何度目だろうか。はじめて観た時は、あまりピンとこなかったのだが、繰り返して観れば観るほど面白くなってくる。 ぼくにとってこの作品は高橋洋の作品ということになるのだが、例え…

●お知らせ。「群像」2月号に、「わたしは知りたかった/柴崎友香『ドリーマーズ』論」を書きました。『人はある日とつぜん小説家になる』に収録されている柴崎友香論のつづきでもあります。『ドリーマーズ』(特に表題昨の「ドリーマーズ」)という作品で、柴崎…

●『海辺へ行く道 夏』(三好銀)。ネットで名前をみかけたような気がする、という以外にこの作家について何の情報もなかったのだが、本屋で見て、表紙の絵があまりにすばらしいので買って、読んだ。すごく面白かった。ぼくはマンガはあまり読まないのだが、『…

●『水死』(大江健三郎)。この小説をこれから読もうと思っている人は、これ以降を読まない方がいいかもしれません。 ぼくは、前に書いた(本に収録されている)『アナベル・リイ』論で、これは女性が男性を糾弾するための話ではない、というようなことを書いた…

初めての、携帯からの更新

●実家に帰っているので、3、4日、更新はお休みします。