2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

●ほとんど何処へも出かけることなく、部屋の外へ出ることさえ稀であるうちに、日付がどんどん過ぎてゆく。そんな風にひきこもって、年始以来ずっとやりつづけていたことが、ようやく(とりあえずは、であるけど)最後まで行き着いた。毎日毎日、本当にちょっと…

●思いの外面白くて、『熱海の捜査官』を最後まで、DVD四本分一気に観てしまった。面白いと言っても、作品として面白いというのではなく、気楽に楽しめた、という感じだけど。しかしそれがとても貴重で、ぼくは最近、がっつりとハードなもの、こちらが集中…

●新宿の紀伊国屋でやっているらしい郡司ペギオ‐幸夫の選書フェア(坂根正行さんのブログで知った)のために書かれた「内側から観た偶然=仏陀の微笑」というエッセイがすごく面白い。 (http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/prpjn67.html) ぼくも、ちょ…

●空がある。空があることを意識するのは、なにも上を見上げるということだけではない。地上を見ること。上から降ってくる光を見ることでもある。空があって地面がある。上があって、下がある。地上には重力がある。そして地面には起伏がある。上から注がれる…

●まだまだ寒いのだろうけど、ちょっと空気の感じがかわった気がする(雨が降って以降だろうか)。人間を構成する要素の八割くらいは、風景と地形と気象条件だっていう気がする。内側の八割は外にある。内側に潜ってゆくと、くるっとひっくり返って外に出る。…

●時々、無性にアニメが観たくなる。『神霊狩』をまとめて借りてこようと思ったのだが、近所のツタヤにはなくて(前はあったので破棄されてしまったのか、これかなり面白いのだけど)、かわりに、カンで『ムネモシュネの娘たち』というのを借りてみたのだが、…

●目が覚めて、寝ぼけたままテレビをつけたら、カンディンスキーと青騎士の展覧会の紹介をしていた。で、カンディンスキーの絵に対するゲストの反応が、「かわいー」と「きれー」だったのでがくっとなる。もっと「わけわかんねー」とか「きもちわるい」とか、…

●夜、DVDを返却に行くために外に出たら雨が降っていた。傘は持ったけどささないで歩く。こういう空気の感じは久しぶりだと思った。小雨が降っていると、夜は、より夜っていう感じが深くなる。

●『インセプション』(クリストファー・ノーラン)をDVDで。最初の方を見ている時は、もっと面白くなりそうな感じだったけど、後半というか、四層の夢が同時施行するクライマックスがぼくにはまったく退屈で、なんか冴えない映画だなあという印象。夢の多…

●充分に密度のある「作品」は、わたしとあなたが共有されない別の身体によってこの世界のなかにいるという事実を絶対的な形で示し(だから人は常に作品の前では孤独であるはず)、しかし同時に、まさにそのことによって、切り離された異なるものたちの間にも…

●ぼくにとって、無茶苦茶視力が良くて遠くまでくっきり見える人や、無茶苦茶耳が良くて昆虫の羽音の振動数まで聞こえてしまうという人に対する興味は、幽霊が「見えてしまう」人への興味につながっている。だが、通常の意味での目の良さや耳の良さは外的な装…

●ぼくにはどうしても、自分が音楽に対して距離がある、疎遠だ、という感じがある。中高生の時は人並みに聴いたけど、それは「音楽」そのものを聞いたというよりも、ある種の精神性の象徴のようなものとして、新鮮な空気のようなものとして、それを必要として…

(20日と19日との日付が逆になってしまった。これは20日の日記で、20日のが19日の分です。) ●絵画に詳しいということと、絵が分かるということとは違う。マティスはぼくにとって永遠の謎のように魅力的なのだが、それでも、マティスの絵にあるマテ…

●引用、メモ。どうしてぼくは、このような話を面白いと思い、リアルであると感じるのだろうか。『音楽嗜好症(ミュージコフィリア)』(オリヴァー・サックス)より。 ≪とても音楽好きの友人、ジェローム・ブルナーが話してくれたのだが、彼はかつて、お気に…

●宅配の荷物が届いてドアを開けたら、外に真っ青な空と澄んだ光があって、うわっと思った。外出する予定はなかったけど外に出てみることにした。メガネをかけて散歩してみようと思った。 一昨日、メガネをかけて出かけた時はもう夕方で薄暗かったし、新宿に…

●引用、メモ。「思想地図」の千葉雅也のテキストを読んで知ったのだが、「表象」02号に載っているマラブーのインタビュー(「可塑性とポストヒューマンな未来」)がすごく面白い。ここで話題になっている『新たな負傷者たち』という本は翻訳される予定はある…

●新宿の朝日カルチャーセンターに、佐々木中×磯崎憲一郎の対談を聞きに行った。ずっとこもっていて、電車に乗るのが十日ぶりくらいなので、思い立って、メガネをかけて出かけることにした。ドアを開けて外に出た瞬間から、普段とまったく違ったクリアーな世…

●引用、メモ。『時間の正体』(郡司ペギオ-幸夫)より。この本は、とても面白くて何度も繰り返し読んでいる。読んでいる時はなんとかかんとかついてゆけていると思っているのだが、理屈の道筋が複雑でとても抽象性が高いので、読み終わった後、その論理の展…

●制作のための覚書。重要なのは運動(というより、運動が、運動それ自体を成立させている基底である時空の構築を揺るがし、動かすところまで届くこと)であり、そして、その運動が通り過ぎてゆく数々のテクスチャーの精度である。構造は事後的に形成される。…

●『悪夢探偵2』はすごく面白かったので期待したのだけど、『悪夢探偵』は、表側のリアルな世界に対して裏の存在がどこでもないどこかから遠隔操作するみたいに影響を与えてくるという話で、しかもその裏の存在を塚本晋也本人が演じているという、『鉄男』以…

●メディウムとしての絵画と、ジャンルとしての絵画とは別のことなのではないか。例えば、グリーンバーグ的なメディウム・スペシフィックには、実はジャンル・スペシフィックとの混同があったのではないか。絵画の内的な自己発展、自己実現と、外側から(社会…

●夜、駅前のスーパーへの買い物の帰り、空を見上げて、ああ、月が出てるなあと思った時、そういえば、夜になってから部屋へ戻る時にはほとんどいつもこの場所で、このタイミングで空を見上げてるんじゃないかと気付いた。 駅からアパートまではずっと緩い上…

●引用、メモ。『ヘレン・ケラーまたは荒川修作』(マドリン・ギンズ+荒川修作)より。以下のことは、ぼくがこれからやろうとしていることへの、重要な導きとなってくれるように感じられる。 ここで語っている「わたし」とは、ヘレン・ケラーであり、同時に…

●わけがあって、今後一か月くらいは小説(読み)絶ちしようと思っているのだが、「群像」二月号に青木淳悟の新作が載っていて(「私のいない高校」)、気になって、読みたくて仕方がない(青木さんが女子高の話を書いているということはずいぶん前から聞いて…

●お知らせ。東京新聞七日夕刊に、府中市美術館の利部志穂公開制作について書きました。 ●『涼宮ハルヒの消失』をDVDで。バッケージに163分と書いてあって、きっと特典映像も込みでその時間なのだろう思ったら、本当に本編がきっちり163分あった。 …

●散歩。

●庭。

●メガネを買った。今、使っているメガネは多分、もう十五年くらい前に買ったもので、柄が片方折れていて、折れてない方も歪んでいて、鼻にぎりぎり乗っかっていても少し動くとずり落ちてしまう。もう、ここ五、六年くらい(もしかするともっと)そんな状態で…

●アナロジーというのが気になる。メタファーでもシンボルでもアレゴリーでもなく、アナロジー。もしかしたらぼくは、通常、アナロジーという言葉に込められている意味を大きく逸脱したものまで含めて、そう言っているのかもしれないのだが。 ここでアナロジ…

●海まで散歩。実家から海までは歩いて四十分くらい。ずっと川沿いを下って海まで出て、それから、通っていた高校の前まで砂浜を歩き、高校の脇を抜け、途中まで下校ルートを歩いて(チャリンコ通学だった)、あとは適当にふらふらしながら実家まで戻った。途…