2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧
●欠落していたゼロ年代の大林宣彦の穴を埋めていく作業をぽつぽつとしている。『なごり雪』(2002年)と『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』(2007年)を観た。どちらも、伊勢正三の曲を原案とした映画で、大分で撮影されたという点で共通している(「大分三…
●『MIU404』、第十話。ますます「攻殻」っぽくなってきた(最後に、部署解体の危機が訪れるというパターンも踏襲されている)。Netflixの新しい「攻殻」シリーズよりも、こちらの方がずっと「攻殻」っぽい。次回が最終回だそうだが、菅田将暉がどのような人物…
●安倍首相が辞任というこのタイミングで、多くの人が、社会的(集団的)意思決定装置としてのQV(Quadratic Voting、二次の投票)について真剣に考えるようになってくれないものか、と思う。一人一票という制度はあまりに粗雑過ぎる。 https://furuyatoshihiro.h…
●「他人の時間を奪う」ことを極端に悪とするような価値観には抵抗していきたい。まあ、程度問題ではあるけど。たとえば、無駄な会議や付き合い的な飲み会を嫌う、というくらいは分かるとしても、遅刻に厳しい人や、わかりにくい(とりとめのない)話をする人に…
●『理由』(大林宣彦)で気がついた(気になった)ことを備忘録的に書いておく。以下に書かれることは、『理由』という作品の本流にかかわることではなく、あくまで傍流のひとつにかかわることである。 『理由』は、事件の当事者たちが、事件を事後的に振り返る…
j●たまたまみつけたのだが、これはなかなかすばらしいのではないか。ボーカルの合って無さがむしろ味わい深くしているように思う(三曲目の「PAPER DOLL」ではけっこうハマっているように思う)。 山下達郎(copy) from早稲田ロッククライミング https://www.yo…
●引用、メモ。『やってくる』(郡司ペギオ幸夫)より。以下の部分は、第一章、第二章に書かれていることの要約(というか、重点)と言えるところで、とても重要なことが書かれていると思う。 《私は、パジャマのような服を着せられた「ねこ」を見たことがありま…
●U-NEXTで『勝手にしやがれ!! 脱出計画』を観た。ひさしぶりに観て意外に思ったのは、黒沢清としては例外的だと思うのたのけど、この作品では映画の舞台と実在する土地とが積極的に結びつけられていた。 まず、「谷中ぎんざ」という商店街の名を示す看板がフ…
●今まで信じてきたものが足元からがらがらと崩れ落ちるような画像が…。 《彩色されていたギリシア・ローマの彫刻が白い状態であることを概観した記事。白の美しさを説いたヴィンケルマンの考えがゲーテに受け継がれ、白人至上主義やモダニズムの純粋主義に歓…
●『MIU404』を観てて思ったのだけど、今後もし「攻殻機動隊」の新シリーズがあるとしたら(現在進行しているシリーズもまだ終わっていないのだが)、脚本を野木亜紀子に書いてもらうことを希望したい。きっと魅力的な「敵(悪)」をつくりだしてくれるのではない…
●『MIU404』、第九話。なんというか、すごく野木亜紀子的な展開だと思った。前回が裏だとしたら今回は表、あるいは前回が表ならば今回は裏。この二つの話はセットになっていることで効いてくる。前回の小日向文世の位置に、今回は綾野剛が置かれる。小日向文…
●ネットでみつけた、おそらく違法にアップロードされたものであろう、英語字幕付きの粗い画質の動画で、『野ゆき山ゆき海べゆき』を観た(モノクロ版)。この映画を前に観たのはたぶん三十年くらい前だったはずだが、今、記憶に残っているその時の印象とまった…
●今年、キャリア17年目のアイドル、Negiccoのあたらしい曲がとてもよい。 Negicco「午前0時のシンパシー」 作詞 一十三十一 作曲 一十三十一、PARKGOLF 編曲 PARKGOLF https://www.youtube.com/watch?v=v-WKa6wwITw ●sora tob sakana、CY8ERと、面白いアイド…
●最近、というか、今年になってから、公式のYouTubeチャンネルで、aikoの昔のMVをアップしていて、おお、と思う。ぼくは、ゼロ年代のはじめの頃、aikoの『桜の木の下』というアルバムを、バカじゃないかと思うくらい繰り返し聴いた。逆に言えば、aikoという…
●今まで、ベストセラーを映画化した原作モノということで、なんとなく観ていなかった『理由』(大林宣彦)を観て驚いた。これこそが、『この空の花 -長岡花火物語』以降の、最晩年の特異な作風のプロトタイプといえる作品ではないか。 原作は読んでいないのだ…
●太田和彦名作選みたいな動画がYouTubeにあがっていて、長い時間、観入ってしまった。この手の飲み歩き系の人たちのなかで太田和彦が飛び抜けていると感じるのは、(店や酒や料理を褒める時のスノッブな感じの語彙力というのもあるけど)メニューに数ある品々…
●『MIU404』、第八話。このドラマではじめて知ったのだけど、捜査一課の嫌味な刑事の役をやっている酒向芳という俳優が、吸血鬼みたいでとてもかっこいい。それに、小日向文世に殺される役の人も、とてもリアルでいい顔をしていた。前にも書いたと思うが、こ…
●本を買った。が、今は読んでいる余裕がない。 ●講談社選書メチエの『ドゥルーズとガタリの「哲学とは何か」を精読する』(近藤和敬)の分厚さには、かつての講談社ノベルスの京極夏彦感がある。
●オカルトは好きなので気分転換に動画をよく見るのだが、額縁込みでも一万円以下で買えてしまうルオーの複製画(量産品)を、「呪いの絵」にしてしまうのは、ネタの仕込みとしてあまりに雑なのではないか、と思ってしまった(下の動画)。 【呪い?】いわくつき…
●火曜The NIGHTに出ていた、プー・ルイが新しくつくったグループ(PIGGS)が面白そうな感じだった(曲はあまり好みではないが)。メンバー五人、それぞれのキャラがたっていて、そのバランスも面白い。いや、キャラという以前に、五人がバーッと出てきて並んだ時…
●テレビをつけたら、NHKでメモリースポーツを扱った番組をやっていて、ゲストで出てきたメモリースポーツ界の凄い人が、平成以降のNHKの朝ドラのタイトルを短時間ですべて憶えるという企画があって、その合間でアナウンサーが過去の朝ドラを振り返って軽く紹…
●小暮夕紀子という作家をいままでまったく知らなかったけど、「文學界」九月号に載っていた「裸婦」という小説がよかった。幼い娘の、「性的な母」に対する微妙な忌避の感覚と、成長した娘の、死に近い(遠ざかっていくものとしての)母へのまなざし。 《父が…
●これは、磯﨑さんの小説に出てきた「相互銀行」の前身なのだろう。 《神保町のビル「旧相互無尽会社」(昭和5年頃竣工) が9月7日からの工期で解体されてしまうという。これは本当になんとかならないのかなと思う。外壁を覆うスクラッチタイルやアーチ窓など…
●『MIU404』、第八話。まず、トランクルームに住んでいる人がいる、というのがネタとして興味深い。ドラマでは、世間から身を隠すために住んでいる指名手配犯と、退職後に妻と喧嘩して家出したけど行き場がないから住んでいる人がいるという話なのだけど、こ…
●お知らせ。今月は、「文學界」の新人小説月評だけでなく、「新潮」に『月の客』(山下澄人)の書評を書いています。 ●轟二郎(三浦康一)が亡くなった。フジテレビのドラマ『翔んだカップル』が放送されていたのは中学一年の時(1980年)。おそらく、今観るとスカ…
●今でもまだガラケーなのだけど、接触確認アプリを使えるようにするためにスマホに買い換えましょう、というメールがauから来た。スマホを使わないのは、ツイッターに決して手を出さないのと同様、(過剰接続から)自分を守るためということが大きい。ノイズに…
●下の動画の、12:19あたりから、頭をトントンとたたかれているところで、まるで自分の頭がたたかれているように感じる(イヤホンまたはヘッドホン着用で)。眼を瞑って音だけ聞いても、頭のどの部分がたたかれているのか分かる。すごく変な感じ。 ASMR 超cool!…
●「With/Afterコロナのアイドルを考える」というシンポジウムで、エビ中やukkaのマネージャーである藤井ユーイチが、「銀行やコンビニでは喋って接客しているのに、アイドルの現場だけ接触が問題視されることに納得できない」みたいな意味の発言をしたのを受…
●グッチ裕三は(ビジーフォーも)ずっと苦手だったけど、この人ほんとに音楽マニアなんだなと知れる動画をみつけて、感じ方が少し変わった(ていうか、すげえな、と)。教育テレビでこんなことをやっていたのを知らなかった。「ハッチポッチステーション」。ダジ…
●『日本蒙昧前史』(磯﨑憲一郎)には、大阪万博で太陽の塔の右目に籠城した目玉男のエピソードが出てくる。目玉男は、終戦から四年目の夏に旭川で生まれたと書かれている。つまり1949年生まれということだ。その後、成長した目玉男が姉と近所の子供たちと連れ…