今日も朝からバイト。時間に余裕がない訳じゃないし、電車もハードに混んでいるのとは逆の方向なので、もう少しゆったりとしてもよいはずなのに、朝の通勤の流れに混じると、なぜか余裕なくせかせかとしてしまう。次の電車でも充分間に合うのに、ホームに電車が入ってくるのが見えると、思わず階段をかけ降りて、かけ込みで乗車してしまう。ここで5分の時間を稼いで、一体何の得があるのか。ホームでぼうっとして、コーヒーでも飲んでた方がずっといいのに。
なんとなく軽い頭痛がずっと続いている。目の使い過ぎ。最近また、一段と目が悪くなったみたい。この日記だとヒマ人のように見えると思うけど、実はここのところかなりキツいスケジュールでバテている。今日は特にダルくて、一度座るともう二度と動きたくない、という感じ。微熱があるのか寒気もする。身体がつかれているのは分かっているので、頭に刺激を与えて、無理矢理身体を動かしてる、という状態。
制作がかなり重要な局面にあるので、ここでテンションを落とす訳にはいかない。どちらかというと、バイトには、休みに行っているという感じか。とはいっても、まるっきり、ぼーっとしている訳にはいかないのは当然のことで、それなりに神経は使わなくてはならない。ふうーっ。
バイト先の中村さんが持ってきた、ポータブルMDプレイヤーと、ぼくの持っている、ポータブルスピーカーを繋いで、スティービー・ワンダーとかマービン・ゲイとか、聴く。
柿を貰う。柿って、今時のスーパーとかで並んでいる果物の中では、ひと際不細工というか、原始的な色と形をしている。林檎なんかがいかにも、近代絵画的な、力と洗練を感じさせる形態なのに対して、柿は、どう描いても田舎臭い絵にしかならないだろう、というところが味わい深い。この形の歪み方とか、そのまま描いてもセザンヌになりそう。食べないで、しばらくじっと見つめる。
中村さんに、火事で死にかけた時の話を聞く。火傷によるショック状態で血管の逆流を防ぐ弁ののようなものが機能しなくなって、心臓が破裂しそうなほど過剰に働いて肥大してしまっている状態だったにもかかわらず、頭だけは妙にクリアーに覚醒していて、消火活動を手伝ったりしていたそうだ。自分ではなんともないと思っていたらしい。消火に一区切りがつき、ほっと安心したとたんに、意識が無くなって倒れた。後で医者から、30分担ぎ込まれるのが遅かったら死んでいた、と言われたそうだ。火事場の馬鹿力って、かなり生命には危険なコワいものなのだった。