『また四月が来たよ/同じ日のことを思い出して』(椎名林檎『ギブス』)
花粉症、このところ小康状態だったのだけど、今朝は目が覚めたときからひどい状態。目は痒いし、ハナタレ小僧だし。天気予報の花粉情報は毎日同じように『非常に多い』ばかりなのに、反応の出方は日々ちがうので、何の役にもたたない。
今年の杉花粉はよほど大量らしく、ぼくの周りに何人も、去年まではなんともなかったのに、今年はひどい、という人がいる。ぼく自身も例年は杉にはそれほど反応しないのに、今年はぐちゃぐちゃだったし。
『NHKのど自慢』と『新婚さん、いらっしゃい』なんていう番組をみてしまう。もうエグくて、エグくて。
『のど自慢』のトップで『ヤングマン』を唄う若者(と、いっても30過ぎ、多分)は、いかにも田舎の独我論的な青年。嫌味なくらい爽やかにはきはきと唄っているが、途中から気分良くとばし過ぎて、伴奏とのリズムがズレはじめる。それでも意に介さず突っ走る青年。しかし、今どき珍しく生バンドで演奏する贅沢なこの番組だけのことはあり、バックのバンドが適当に、合うでもないけど、それほどズレているわけでもない、という感じで唄に合わせて修正する。さすがプロ。そんなバックの苦労も関係なく、さらに絶好調な青年。(しかし、こういうプロフェッショナルな技巧は、カラオケの発達とともに今や絶滅寸前か)
カネ二つ。地元でタマネギ農家をしているというこの青年、アナウンサーの、今年のタマネギの出来は、の問いに、今年はとても良いです、と無駄なほど元気よくはきはき答え、あくまで独我論的なペースで画面から去ってゆく。そして人生はつづく。フレームの外にも世界はある。
モーニング娘を唄う幼稚園の保母さんのグループ。なかに一人だけ保父さんがいる。眼鏡に小太りの温和そうな彼は、かわいいアップリケのついたエプロン姿で唄うことなく汗だくで一人踊りまくる。しばし彼の人生に思いをはせる。
『新婚さん、いらっしゃい』はもっともっとエグいのだが、あまりのことに恥ずかしくてとても描写できない。そして彼氏彼女の人生はつづく。フレームの外にこそ人生はある。うーん。
きみ、今年で幾つになるんだ、いつまで青いことを言っているのだね、世の中はそんなもんじゃないのだよ、現実を見たまえ、現実を、と、説教されたような気分。
花曇りの日。こういうのを花曇りというのか。花曇り、という言葉を生まれて初めて使ってみた。(辞書をひくと「 はな-ぐもり 」の次は「 はな-げ 」で、「 鼻毛を読まれる 」というのは、女にみくびられる、という意味だそうだ。こんな慣用句、知らなかった。)
駐車場の裏を通り道にしている黒猫は、兄弟らしくて、以前はいつもそっくりな2匹で一緒にいたのだけど、最近は一匹しか見ない。駐車場の横の、交通量はそれほどでもない広い道路を横断するのをたまに見掛けるので、もしかしたらひかれてしまったのかも。顔見知りのおじさんの話によると、『あの猫は、縄張り意識が強くて、気が荒く、しょっちゅう他の猫と喧嘩している』とのこと。