散髪。2週間以上前から、もう切らなくてはとずっと思っていたのに、めんどくさくて延び延びにしていた。もういい加減鬱陶しいので切りに行く。珍しく店長が出てきてカット。ここの美容室を紹介してくれた女の子の話では、この店長はどっかの有名な店で働いていた優秀な人らしいのだけど、業界特有の上昇指向の強さというか、ワンランク上を狙ってシノギを削る成り上がり体質が嫌で、独立して、郊外に、最新流行とかいうのとは無縁の、主にオバさん相手の気楽な店をかまえたのだ、ということらしい。どう見ても働き者には見えないし、客商売にありがちな、人当たりは柔らかいのだけど裏の野心が透けて見えるという感じもないし、店が開いているはずの昼間っから、駅周辺をうろうろとしているのを見掛けたりするしと、まあ、きっとそういう人なのでしょう。店の奥からやる気のなさそうにのそのそと出てきて、無愛想に始めるのだけど、さすがに手付きはどのスタッフより鮮やかで、へーっ、って感じ。
あと、今日は1日じゅう本を読んで過ごす。金井美恵子『小春日和』と、青山真治阿部和重黒沢清塩田明彦、安井豊(稲川行人、樋口康人・編)『ロスト・イン・アメリカ
夕方、出かけようとして傘がないのに気づく。多分、昼過ぎに買い物に行ったコンビニに忘れてきたのだろうと思い、レジの人に聞く。すると、店の奥の商品の倉庫のような場所に通された。ほとんど毎日通っているコンビニの奥を初めて覗いた。隅の方に大き目のバケツが置いてあり、そこに沢山の傘が立て掛けてあった。これがここ2〜3日の傘の忘れ物なんですが、このなかにありますか、と言われる。独特の湿った雨の臭いのする沢山の傘をかき分けるようにして捜す。見つかった。店の人にお礼を言い、それだけじゃ何だからビールを買って帰る。ぱらぱらと細かい雨。
ビデオ屋へ。『マトリックス』とか『アイズ・ワイド・シャット』とか『スターウォーズ-ファントム・オブ・メナス』とか、とりあえずこのくらいはチェックしておかなくては、という映画が新作として並んでいたのだけど、ついつい手はゴダールの『メイド・イン・USA』の方へ伸びてしまう。
古本屋でヴァージニア・ウルフの日記。
9時過ぎ、急に雨が強くなる。水しぶきをたてて走り去る自動車。雨に滲む信号機。