01/6/9(土)

夜中の3時前、ふいに一羽の小鳥がピーピーとかん高い声で鳴き始めた。その声が少し開いた窓から入ってくる。辺りはまだ真っ暗だし、鳥の声が聞こえてくるような時間ではない。かしましい夜の虫の声がジンジンと響いている季節でもなく、しーんと静まったなかで、その声は気に触るほどキンキン耳につく。勘違いに気付き、そのうち鳴き止むだろうと思っていたのだが、まるで、自分が場違いにたててしまった音に自分で驚き、その思い掛けなく周囲から浮き立ってしまった音に我を失い、自分の声に反応するようにさらに鳴きつづけ、鳴きつづるうちにさらに興奮が増してしまってまた鳴きつづけるという風に、いつまでも鳴き止まない。鳥の声と言うより金属の擦れ合う音のようにも聞こえてくる。はじめは、ただ、うるさいなあ、と思っていただけだったのが、その声に応える者もないままに、ただ一羽だけで、留め金が壊れてしまったかのように鳴きつづける声に、ふと恐怖のようなものさえ感じてしまう。ものぐるおしい、ヤバい感じ。