ある日

濡れたアスファルト。雨。ずっとまっすぐにつづいている道の両側に茂る、青々と葉をつけている常緑樹に混じって、まだら模様をつくるように真っ赤に染まったもみじの木がところどころにみられる。しかしそれは、実はもみじではなくて、「アメリカフウ」(別名「モミジフウ」)という、基本的にもみじとは全くちがう種類の木だそうだ。(モミジの仲間と違うのは、葉が互生しているところ。)とても鮮やかに紅葉するので、モミジモドキみたいにしてしばしば街路樹に使用されるらしい。道端に、竹で編み上げてつくられた、大きな行李というのか葛籠というのか、とても大きい箱状のものが置いてあり、そのなかに、掃いて集められたのたろう落ち葉が、みっしりと詰まっていた。雨に濡れた落ち葉は独自のにおいを発しながらしんなりと納まっていて、たがいに密着しながら無駄な隙間なく高密度でひしめいているのだった。