●天気がよく、わりあいと暖かい。電車に乗り、席に坐ると、向かい側の窓のフレームいっぱいに青い空がひろがる。画材屋でたくさんの木枠と画布を買い、その、傍目から見たら何が入っているのかと怪しく思えるだろう背丈ほどもある大きな包み(画材屋の名前が印刷されたボール紙に包まれているので分かる人には何だかすぐ分かるのだが)を両腕で抱えて駅からアパートまでの坂をのぼり、部屋まで帰ってくると、背中と脇の下に汗をかいている。