●夢に出てくる場所は大抵、知っている場所か、それが変形され、あるいは複数合成されたものであり、夢に出てくる人物は大抵、知っている人物か有名人、またはそれらが複数合成されたような人物であって、つまり、夢には未知のものはほとんどあらわれない。今朝方見た夢は、上野公園を思わせる場所を、受験生時代の知り合い(友人というほど親しくはない、顔見知り)の男と歩いている夢で、上野公園と言えば芸大のすぐ近くで、つまりこの夢は、受験生時代の記憶と関係のある夢で、こんな夢を見た原因は、一昨日の日記に書いた、「受験生時代のメモ」をみつけたことにあるのだろう。だからこの夢には何の謎もないのだが、ただひとつ引っかかるのは、その夢のなかでぼくが、派手な黄色いフレームの眼鏡をかけていたことだ。この眼鏡は一体何なのだろうか。
ぼくは、目はあまり良くはないのだが、普段は眼鏡もコンタクトもつけず、絵を描いたり、本を読んだりする時にだけ眼鏡をかける。(だから眼鏡の存在はぼくにとってそれほど「親しい」ものではなく、眼鏡をかけると違和感を感じる。)絵を描く時は眼鏡をかけるので、受験生時代はアトリエでずっと眼鏡をかけていて、その眼鏡は、いかにもその当時のものといった感じの、大きいレンズに太い黒のフレームの眼鏡(昔の中森明夫みたいな、Dr.スランプのアラレちゃんみたいなやつ)で、顔に対してそうとうごつい存在感のあるものだった。なので、受験生時代の夢に眼鏡が登場するのも理解出来る。しかし夢のなかの眼鏡は、電撃ネットワークのリーダーがかけているような、あるいは、笑福亭笑瓶がかけている眼鏡をもっと派手にしたような、原色の黄色いフレームのものなのだった。夢のなかでもぼくは、相当にその眼鏡の存在を気にしているようで、頻繁にかけたり外したり、あるいは胸のポケットに入れ、その上から手で触れ、そして出してみたり、していたように記憶している。ぼくは大抵、目覚めてしばらくすると夢をきれいに忘れてしまうのだが、今朝方の夢は、この眼鏡の鮮やかな黄色(と、その違和感)が目覚めてからも印象に残っているため、目覚めた後もずっとその感触を憶えているのだった。
(今、これを書き終わってから思い当たったのだが、そういえば昨日観た『まぼろしの市街戦』に出ていたコクリコという役名の女の子が、鮮やかな黄色い衣装に、黄色いパラソルという姿だったのだ。)