●なんとなくテレビを観ていたら太田垣悠というダンサーが出ていた。ぼくはこの人のことを(というか、ダンスのことを)全く知らないのだけど、面白かったのは、普通に雑談をしながら即興でダンスをするというトレーニングを実際にやっていたことで、太田垣氏はこのトレーニングの意味を、集中し過ぎると閉じてしまって周りが見えなくなるので、踊りながらでも周囲の状況がちゃんと見えているようにするため、とか説明していたけど、ここで重要なのはおそらく、意識と身体とを切り離して、その両方をバラバラなまま同時に動かす(制御する)ということなのだと思う。これはどんな「技能」でも同じだと思うのだけど、意識を集中させなければそれが出来ないというのでは駄目で、意識は別のことを考えていながらも(例えば、数歩先を考えていたり、何歩か前のことを反省していたり)、身体はちゃんと制御されている(「技能」を行えている)、という状態ができることはとても重要なことで、これが出来るのと出来ないのとの間には、大きな壁というか溝があり、これを越えるのが結構大変なことなのだ。(さらに、例えばダンサーならば、右手と左脚とを切り離して別々に制御する、とかいうことも必要なのだろう。)