●雨が降って空が雲で覆われているためにかえって薄明るい遅い夕方に輝く無数のネオンは、暗闇を背景にした時のようにはっきりとではなく、ぼうっと浮かび上がるので、そのため、派手に輝くネオンよりもむしろずっと「浮いた」感じで非現実的に見えて、焦点が合わないままでそこに目が吸い寄せられ、傘をさしても濡れてしまう肘や靴の先やズボンの膝下から感じる湿り気や、傘をさす人たちの流れを避けながら進んでゆく軽い煩わしさや、雲で空が蓋をされているための籠った空気の圧迫感なども入り混じって、歩いていて、どこか変なところへ、ふっとズレて行ってしまいそうな気がする。
はてなフォトライフを使って、ドローイングの展示の写真の一部(http://f.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/)を公開しました。別にライティングとか気にしないで、自分でデジカメで撮った写真なので、あまりよい写真とは言えませんが。