●夢の話。何故か梱包用の布テープを持ち、そのテープの端を右手の人差し指に巻き付けて、ぼくは、月の上をピョンピョンと飛び跳ねるようなやけに軽やかな小走りで、中学校の中庭に潜入する。中庭には、二つの向かい合う校舎を結び、もっと先にある木造校舎の方へと伸びている、T字に交差した、渡り廊下と言うのか、屋根付きの通路があり、そこを顔見知りの教師たちが向こうから集団で歩いてくる。ぼくは既にそこの生徒ではないらしい。彼等にみつからないように、ピョンピョンと素早く飛び跳ねては次々と位置をかえ、彼等の視線から身を隠しつつ、木造校舎の方へ向かっている。木造校舎へ行くには、一旦学校の敷地を抜けて、プレハブ校舎を通って行かなければいけない。(実際に、ぼくが中学生の頃は、急激な生徒の増加に対応するため、学校の敷地の隣の土地にプレハブの教室が5クラス分ほど建てられていて、中学一年の時、ぼくの教室もそこにあった。プレハブ校舎は、一度校門を入って、学校の敷地を横切り、裏口から出て小川を渡った、その先にあった。木造校舎も、ぼくの通っていた小学校にあった。)プレハブで建てられた教室の並びを突き当たりまで行き、同じくプレハブで別棟として建てられているトイレの角を曲がると、その先は古い木造平屋建ての校舎で、そこはプレハブ校舎に比べると、全体的につくりが大きくてゆったりしている。ある教室の後ろ側の窓が開け放しになっていて、ぼくはピョンと飛び跳ねてその教室のなかに入る。教室の後ろ側なので、前を向いている生徒たちには気付かれていないようだ。そこは音楽室で、一人の女子生徒が前に出て歌をうたっている。ぼくは一瞬だけ立ち止まって、歌っている生徒の方を見て、すぐ、窓とは反対側の、開け放しになっている教室の後ろ側の引き戸から廊下に出る。廊下にも、生徒の歌う声が聞こえている。
●今日の光06/09/21八王子http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/hikari0921.html