07/10/07

●道を歩いていたら、坂の途中で、ピュウゥという小さな穴から空気が抜けるような間抜けな音がして、上から何かが落ちてきた。落ちてきたと思ったのは1羽のハトで、落ちたのではなく、降りてきたのだったが、その間抜けな鳴き声(ピュウゥ)と、無様な姿勢で、落ちてきたようにしか見えなかった。優雅な着陸や離陸をみせ、うつくしくも獰猛な形態をもつカラスや、あくまでも小さく軽やかな雀などとは違って、ハトの動きの不器用な間抜けさは、着陸の姿勢だけでなく、その後の、トッ、トッ、トッという、いちいちつんのめるような歩き方にもあらわれている。形も間抜けで笑える。灰色だし。立ち止まってしばらくその、トッ、トッ、トッ、トッという歩みに見入っていた。