夢の話

●夢の話。明日は大学受験の日だが、ぼくはまったくその気になっていない。だいたい、明日の試験が何時からはじまるのかも知らなくて、家に帰ってからインターネットで調べておかなくちゃ、と思っている。受験する大学までちゃんと行けるのかもあやしい。(そもそも願書は出したのだっけ?)明日の試験のためのデッサンの道具も用意してなくて、もしかするともう木炭がなくなっているかもしれない。今日は校舎の五階で、何かイベントがあるらしい。本当なら、それをのぞく前に、地下にある売店で木炭を買っておかなければ忘れてしまうかもしれないのだが、まあ、帰りに買って帰ればいいやと思って、階段をのぼっている。五階にたどり着くと、廊下沿いに縁日の屋台が並んでいる。屋台では、食べ物やオモチャなどに混じって、木炭も売っている。しかし種類が貧しくて、ぼくの欲しいものではない。ここで買っておけば忘れなくてよいと思うのだが、木炭をみせてくださいとは(見透かされているようで)なかなか言い出し難くて、結局買わない。屋台をひやかして歩いていると、いつのまにか屋外へ出ていて、円形の広場のような場所に出る。広場を取り囲むようにして店が並び、人でにぎわっている。ぼくはその喧噪を味わいながらぶらぶらする。そのなかに一軒だけ、シャッターが閉まっている店があるのに唐突に気付く。煙突から煙が出ている。ぼくは直感的に、誰かが死んだのだな、と思う。女性に連れられた男の子が、泣きながらその建物に近づいて来る。雑踏のなかの誰かが男の子に、誰が死んだの、お父さん?、お母さん?、と訪ねている。ぼくは、何て無神経な奴だと思いながらも、聞き耳をたてている。男の子は何も答えずに、ただ泣いている。傍らの女性は、かなり痛んだ茶色い髪に、喪服ではないが地味な服装で、編み目の乱れた黒いストッキングに潰れたようなサンダルを履いて、ぶすっとした顔で立っている。しばらく歩くと駅がある。ぼくは切符を買って改札を通り(駅員が切符に鋏をいれる)、何の囲いもない、吹き晒しの剥き出しのコンクリートの塊のようなホームへ上がる。(この後、電車に乗って、岡山とか広島とか、その辺りまで出かけたような気がするけど、よく憶えていない。電車は混んでいたような気がする。)