●じめじめと暑い夜に、アルコールの溜まった重い胃のまま眠りについた時に見る、濃い塊のような夢は、汗だくになって沼から這い上がったような感じで目覚めた後では、その強烈さの余韻が残るばかりで、その映像の断片すらも、自分に対して再現することが出来ない。ただ、何か強烈なものが自分のからだのなかを通っていったような感じが残っているだけだ。そもそもそれが映像を伴った夢だったのかさえも分らない。(時々、映像も言葉も伴わない、ただ「考えている」だけの夢をみることもある。言葉さえ伴わずに「考える」というのが、一体どういうことなのかは、目覚めてしまった後には、もう分らなくなっている。)
小田急線沿線の、新宿に近い住宅街がある辺りは普段のぼくの行動範囲ではないのだけど、たまにその辺りの駅に降りることがあると、その、こじんまりとしながらもごちゃごちゃと、雑然と建て込んだ感じに、すごく「東京」を感じる。ぼくのからだの感覚とはすんなりと馴染む感じなのだが、ただ、こういう空間に住んだことがないので、実際に住んでみるとどう感じるのかは分らないけど。