08/03/27

●「わたしの場所の複数」(岡田利規)を、かなり時間をかけでじっくり読み返した。ところで、何日か前、岡田利規柴崎友香とが同じ年(73年)に生まれたと聞かされて、へえ、と思った(あと、舞城王太郎も)。その言葉にひっぱられたわけではないが、「わたしの場所の複数」と「主題歌」とが、意外な程に共通する要素が多いということに、驚きながら読んだ。それはつまり、昨日の日記でも書いた、視線と感情との絡まり合いのメカニズムにおいて、ということなのだが。そして今、ぼくにはそのことにこそ強いリアリティを感じている。「わたしの場所の複数」は、その形式的な側面や、内容-主題的な側面(あからさまにプロレタリア文学的だ)よりもむしろ、その感情的な側面こそが重要で、あのような形式は、感情的な側面によってこそ要請されたのではないか、と感じた。