●昨日の磯崎さんとの対談で、ぼくが生まれてから最も忙しかった二ヶ月間が無事終わったのだった。これで、展覧会も終わると、今のところ完全に何の予定もない、真っ白な七月がやってくる。(八月には大分でグループ展に参加する予定がある。)
つまり、昨日からの虚脱状態というか、上の空の状態は、ただ疲労だけが原因ではなく、そういうことなのだった。今朝起きても、ただただぼんやりしてしまっていて意識のまとまりもないので、雨のなか傘をさして散歩に出ることにした。ここのところ忙しくて、散歩がストレス解消のためのものになってしまっていて、でも、ストレス解消なんていう「目的」がある時点で、それはもう散歩とは呼べないものになってしまっているのだ。これでようやく、純粋な散歩が出来るというわけなのだが、今日は逆に、あまりにも頭のなかが空っぽでとりとめもなくて、散歩というより、ただひたすら、頼りなくフラフラしてるだけという感じだった。頭のなかになにもないと、外にあるものが眼のなかに過剰なくらい次々と押し寄せて来るので、鬱陶しいくらいだった。
電車にも乗ってみた。雨の日曜は、ホームにも電車のなかにもあまり人がいなくて、電車と電車との間隔もあいていて、なかなかこない電車を、人のいないホームで雨粒を眺めながら待っていると、ぼんやりがいっそう増してきて、自分で自分の感覚の掴みどころが増々なくなってくる。