●来月出る雑誌に載るはずの作家論のゲラの直しをする。三度読み返したのだが、これを書いたのはもう何ヶ月か前で、書いていた時にはその作家の作品を集中的に読み込んで、頭のなかがその作家の作品で一杯だったのだけど、今はもうそのようなテンションではないし、今日、明日じゅうにそのテンションを再び再現するのは事実上無理なので(つまりそれは、この作家論がそれだけテンションの高いものだということだ)、下手に手をいれることはせずに、校正、校閲の人の赤が入ったところをチェックするするのと、最後の締めをちょっと変えるくらいしか出来ないなあ、と思ったのだった(それにしても、自分はケアレスミスが多いなあと、校正、校閲されたゲラをみていつも思う)。
一カ所、引用した部分の小説の記述が、ぼくがそう解釈したのとは別の読み取りも可能だと思えるところがあって、本を引っ張り出して小説のその前後の部分を何度か読み返してみたのだが、その部分は、そうとも取れるし、別の意味とも取れる書き方がもともとされているので、これはこのまま突っ切ってしまうしかないと判断した。
●昨日、樫村さんと話していて驚いたのだが、樫村さんは海外のケーブルテレビで『少女革命ウテナ』の最終回の最後の十五分くらいをたまたま観て、強い印象を受けていて、それで、ぼくの本を読んだら『ウテナ』の話が出て来て、その一致に驚いたのだそうだ(ほんの数分観ただけで、あなたが書いているのと同様の感触が充分得られるくらいに強いものがあった、と)。あと、フランスで育った樫村さんの娘さんは、『セーラームーン』好きだそうです。