●散歩の時間がどんどん長くなる傾向にある。去年も、冬はやたらと歩きまわっていたのだが、今年は去年以上にふらふらしている。今日は軽めにしておこうと思っても、気がついたら四時間くらい歩いていたりする。午前中の制作の時間を削って(というよりほとんど潰して)歩いている。履いているジーパンの股間や股の内側のところが、すり切れてすごく薄くなって、いまにも破けそうだ(いつも、ズボンはこの部分から駄目になる)。靴の裏も随分とすり減って、かかとの外側はほとんどツルツルになってしまっている(すぐに駄目になるので、散歩のための靴は安いのにしとかないといけない、でも、今は靴を買い替えるお金がない)。歩いている時にしていることはいろいろで、風景やさまざまな表情が、向こうからほとんど強制的に目に入ってくるようなこともあれば、ほとんど何も見ていない感じで、ただ歩くという行為のなかにいることもあり、ぼんやり考え事をしていることもある。ゆっくり歩いたり、はやくなったりもする。散歩していると、案外立ち止まることが難しい。デジカメをもっていると、立ち止まることがしやすくなる。立ち止まるために、まったく車の通っていない道路の信号を、律儀に守ったりもする。
(まわりにずっと畑がひろがっている一本道で、かなり遠くから、すごく派手な紫色のジャージ上下のおっさんが歩いてきていて、ちょうどその隣りに置かれていたトラクターの派手なオレンジ色と、遠くのゴルフ練習場の日の光りを反射した高くそびえる緑色のネットと、背景の真っ青な空とが強烈なコントラストをみせていたので、写真を撮った。しばらく歩いていると、そのおっさんに追いつかれて、いい写真撮れましたか、と聞かれた。おっさんを撮ったのがバレていたみたいだ。)