●新宿のジュンク堂で、磯崎憲一郎×佐々木敦トークイベント。磯崎さんは、青系のチェック柄のシャツの下に黄色いTシャツを着ていて、この配色は、ぼくが我孫子に行った時に、その土地から感じた印象と一致していた(樹と沼と太陽)。はじまる前に、芥川賞祝いを渡しに控え室に行ったら、磯崎さんと佐々木さんは二人で黙々と大量のモンブランを食べていた。ジュンク堂のイベントなのに、向かいの紀伊国屋書店の人が何人も聞きにきていたのが面白かった。磯崎さんは、短編「絵画」に出て来る画家のモデルは横尾さんだと言っていて、それは磯崎さんと横尾さんとの関係を知っている人には明白なことだと思うのだが、トークの後、何人かの人から、あれは古谷さんかと思っていた、と言われた。でも、はっきり《十日ほど前に六十歳になったばかりだ》と書いてあるのに。磯崎さんの小説には、子供の一言が作品全体と拮抗するくらいに強く響く瞬間が何度もあるのだが、「絵画」の「人魚の島があるね」もその一つだと思う。