●お知らせ。2月20日ジュンク堂新宿店で行われる磯崎憲一郎さんとのトーク・イベントの詳細が発表されています(http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html#20100220-2shinjuku)。よろしくお願いします。磯崎さんとは以前にも一度、一昨年の六月に川口のギャラリーで対談したことがあるのですが、その時に、今回のイベントを担当して下さるジュンク堂の阪根さんとはじめてお会いしたのだったと記憶しています。
そして、3月13日には、吉祥寺の百年(http://100hyakunen.com/)で福永信さんとのトークの予定もあります。ここでは、福永さんの新作「午後」(「新潮」2月号)の話もする予定なのですが、これは福永さんのひとつの達成を示すようなすごく密度の高い作品だと思っています。こちらの詳細は、もう少ししてから。
ラカンセミネール『無意識の形成物』の「ファミリオネール」「ファ・ミリオネール」「ミッリオネール」を、そこで参照されているフロイトの『機知--その無意識との関係』『日常生活の精神病理学』と併せて、今日、昨日、一昨日と、三日かけて、三回つづけて繰り返して読んで、ようやくそこに書かれていることの八割方は理解できたように思えた。ここまでの精度と創造性があってはじめて「分析」の名に値するのだなあと、痺れた。ある機械を分解して、部品の全てをひとつひとつ丁寧に吟味した上で、頭のなかで、そのすべての部品を使ったもう一つ別の機械を組み立ててしまうかのような。そして、もともとあった機械と、頭のなかで組み立てられた機械とか、連動して動き出すかのような。フロイトを忠実に読みつつ、ラカンがそこに付け加えたもののなんと大きいことか。
●今年にはいってからほぼ何もせずに(お金につながりそうなこと、収入になりそうなことを何もせずに)ほとんど一日中いろんな本を読んで過ごしているのだが、なかでもベケットラカンが飛び抜けて面白い。だが、ラカンベケットを読むのは、格闘技みたいな感じで、全力を込めて堅い壁を少しずつ崩すようにしてしか進めないし、せいぜい三時間くらいしか集中力がもたない。