●洗濯物を干しておくと凍ってしまうんじゃないかと思うほど寒いけど、ずいぶんと日が長くなってきたと感じること、花粉が飛び始めていることを鼻が感じていることから、水面下で季節が動きはじめているのだということが分かる。とはいえ、まだまだ寒さはつづくはずで、何かが動きはじめることと、その効果が表面に現れてくるのとには、いつも時間差があることも感じる。浪人生活が長かったこともあって、今でも、冬が弛み始める時期には、なんともいえない独特の感情、緊張が極点で無感覚へと雪崩れてゆくというか、こわばりによって形が保たれていたものが少しずつ崩れてゆくような感覚が、からだの奥の方でわずかにたちあがる。