●磯崎さんとのトークにそなえて、メモしたりノートをとったり、本を読んだりする。とはいえ、相手のあることだし、なにより、書く(メモをとる、ということであっても)ことと話すことでは、頭の使い方がまったく違うので、あまり事前に「こういうことを話そう」と決めない方がいいのかもしれない。
磯崎さんとは、僕の本の「とちゅうで」に書かれていることについて話しましょうということになっているのだけど、実は「とちゅうで」にはかなり複雑なことが書かれているので、(ホワイトボードを用意してもらう予定なので)それについて図を書いて説明するところから入ればいいのかな、と思う。
小説の構造分析みたいなことは、目の前に作家がいなくても出来ることだから、ぼくがそんなことをするより、せっかく磯崎さんがいるので、磯崎さんに出来るだけ話してもらった方がいいのだろう。しかし、改めて読んで、意外にも「ペナント」が、非常に整った、きっちりとしたフォルムを持った短編であることに驚いた(ボタンの消失に気づく場面を軸として、その前後で対称的な運動が展開されていて、最後に違う次元へふっと飛躍する)。
磯崎さんの本で、他の三冊はかんたんに見つかったのだが、ここ二、三日ずっと探しているのに、『肝心の子供』だけがどうしてもみつからないままだ。「肝心の子供はどこにいるんだ?」