●パソコンの状態は昨日よりも悪くなる。一日に一回くらいきまぐれで起動してくれる。メールの送受信はなんとかなったが、これでは長い文章を書くことは出来ない。買い換えるしかないのか。
●「SO+ZO」展の内覧およびオープニング(展覧会は13日からhttp://www.kuwasawa.ac.jp/sozo/)。パソコンをいろいろいじっていたので出かけるのが遅れて、桑沢デザイン研究所の方の展示しか観られなかった。ぼくの本は展示してなかったので、きっとBunkamuraの方に展示されているのだろう。
●桑沢の建物のなかに入るのははじめて。高校生の頃、たしかこの近くの空き地にシネマプラセットのテントが建っていて、映画を観に来た記憶がある(『ヘリウッド』)。83年か4年くらい。多分、その時がはじめての渋谷だった。
●渋谷から原宿方向へ歩くことはあっても、原宿から渋谷方向へと歩くことはあまりない。代々木競技場の脇の歩道は何故かすごく暗くて、しかもその暗いなか、歩道の幅いっぱいくらいに大勢の人が歩いている。都市で、人が沢山いて、しかし暗い、というこの感じに、唐突にフィレンツェの通りを思い出した。
●オープニングの会場の、桑沢七階のテラスからの夜景がとてもよかった。というか、テラスという空間がとてもよい。寒くないいい陽気だったし。東京タワーが見える。
●「SO+ZO」展の図録には、展示されている(はずの)ぼくの本の書影の他に、清水哲朗さんのテキストに関連して、ぼくの90年代の作品の小さな図版が載っている。ずっと、余裕のないギリギリの状態でやってきているので、常に、今とちょっと先のことで精一杯で、自分が長くやってきているという実感がないのだが、こういう形で以前の作品を観ると、90年代の作品は今の自分にとっては、やはり「過去」というかやや遠い感じがあって、ずいぶん長くやってるんだなあと実感する。
とはいえ、それを描いている時の感じ、アトリエの状況(聞こえてくる犬の声や窓から見える向かいの山や吹いてくる風や室内の狭く雑然とした感じ)や自分の身体的感覚(たわんだ麻のがさがさした表面に手で絵の具をこすりつける感触やその動きの調整)を思い出してみると、それは、今、ここ、と極めて近い位置で近接した「すごそこ」にあるように感じられ、そんなに遠いこととも思えくなる。