●実家で、過去の作品を保管している倉庫の整理をする。倉庫とは言っても、土の庭の上に建てられた出来合いのステンレス製の物置で、内部は湿気も高く、保管状態はとても悪い。絵の具が剥離しつつある作品も少なくない。作業をしつつ、いい加減うんざりしてきて、学生時代の自分に、お前、後先考えずに作品つくりすぎだと説教したくなる。そうこうしているうちに、物置の一番奥で、おそらく十数年ぶりに観た、大学に入って最初に制作した作品を見つけて、そのみずみずしさにちょっと感動した(三浪しているので1989年入学、そしてその年の四月か五月につくったはず、21歳)。お前、やるじゃねーかと学生時代の自分に言いたい。これが自分の原点だと再確認しつつ、二十三年前から、基本的には何も変わってないのだなあとも思った。







●床に、150×150センチくらいの麻布を敷いて、水とアクリルメディウムで顔料を溶いたものをその上に流して麻布に染み込ませる、ということを何層も繰り返してつくった作品。木枠に張らない状態で何度も水を吸っては乾燥するということを繰り返すので、麻布は収縮して表面がでこぼこに波打っている。ちょっと洞窟絵画っぽくなっている。ルイスとフランケンサーラー命だった頃の作品。まだ「セザンヌ発見」以前の作品。
●あと、本を整理していて大量の「マンガ少年」のバックナンバーが出てきてたじろぐ。自分のそんな過去のことはすっかり忘れている。痛いなー、自分、と思う。でもこれは捨てられないなあ。実家にあった本を半分くらい捨てた。