●お願い。こんなことをここに書くのもどうかと思うのですが、かなり困っているので。アトリエの引っ越しをするのですが、その時に二トントラックの運転をお願いできる方を探しています。
具体的には、五月六日から十日くらいのうちの一日(この期間内で都合に合わせます)、八王子でレンタカーのトラックを借り、アトリエで荷物を積んで、神奈川県平塚市のアトリエに運びます。荷物を下ろした後、再び八王子へ戻ってトラックを返却するところまでお願いしたいのです。まる一日かかると思います。出来れば、荷物の積み下ろしも手伝ってもらえると大変にありがたいです(けっこう重労働)。アトリエの引っ越しなので、タンスとかテレビとか家財道具の積み下ろしはありません。作品と画材、あとスケッチブック、多少の画集等です。作品は基本的にキャンバスなので、一個一個は「すごく重い」ということはないです。ただ、自分でもうんざりするくらい量があります。
お金は、一万円+八王子までの往復交通費+昼食代をお出しします。やってもいいという方は、プロフィール欄にあるメールアドレスまで連絡してください。よろしくお願いします。
●『ペンローズの<量子脳>理論』(ロジャー・ペンローズ/竹内薫 茂木健一郎訳・解説)をパラパラ読んでいた。これはかなり分かり易い。まあ、ざっくりと、ペンローズはこんなイメージで考えてるのか、ということが分かるに過ぎないけど。そして茂木健一郎のテキストが激アツ。
《どうやら、ペンローズセミナーは、生理学教室を中心とした聴衆の平均的な知性のレベルでは理解するのが辛かったようだ。韓国から来ている博士課程の学生ヨンは、セミナーの最中に、生理学者が、
「いつになったらニューロンが出てくるのだろう?」
としきりに文句を言っていたと証言した。私は、生物学的常識論を振りかざす、凡庸な生理学者が嫌いだ。彼らは、量子力学チューリング機械が何なのか全く理解せず、「常識的な」世界観で、ああでもないこうでもないと言っているだけなのだ。》
《個人的な意見だが、「連続体仮説」(continuum hypothesis)が何なのか理解できない人に、ペンローズの仕事を批判する資格はないと思う。時には、人々はあるアイデアを、それを理解できないというだけの理由で拒否することがあるからだ。》
《もちろん、ペンローズの言っていることがすべて正しいというわけではない。だが、科学が、一〇〇パーセント正しいことだけで成り立っているのではないことは確かだ。すぐにでたらめとわかる嘘は、科学を発展させない。だが、一〇〇年たっても正しいか正しくないかわからないような嘘は、研究活動を推進し、時には全く新しい一つの分野を切り開いてしまうこともある。》
茂木健一郎はそのような「嘘」の例として、《フェルマーの最終定理》や《ダーウィン自然淘汰による進化論》を挙げる。そして、ペンローズによる次のようなテーゼを、《フェルマーの最終定理のレベルの「嘘」になりうるかもしれない》と書く。
《私たち人間の意識化での知性には、非計算的要素がある。したがって、計算的プロセスに基づくデジタル・コンピューターでは、意識も、知性も実現できない。その非計算的要素は、未解決の量子重力理論と関連している。》
茂木健一郎はこの本で、一方でペンローズの理論の「嘘」としての強さ(多くの人の思考を刺激し研究を推進させる)を強調するが、もう一方で、(自然言語で書かれる哲学などとは違う)数学の決定的で暴力的な強さも強調する。例えば、アインシュタインの方程式が実際に原子爆弾を生み出して世界を変えてしまうような決定的な「力」をもつ、というような意味において。ペンローズの理論の「嘘」としての力は明確に、そのような数学のもつ絶対的な力への指向を含み持つものだ(その点で哲学的な思考実験とはまったくことなる)、というような。