●話題になっている、ポリタスの松尾匡の記事(「どうする!? 安倍総理の野望と景気対策」)を読んで、とても面白かったので著書を三冊注文してみた(『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』『新しい左翼入門』『不況は人災です!』)。
http://politas.jp/articles/293
ウィキペディアによる松尾匡
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E5%8C%A1
数学に強いマルクス経済学者がリフレ派に親和的、というのも面白い。
(でもそれは当然のことなのかもしれなくて、安倍政権の経済政策は、基本的には欧米では左派が行っているもので、しかし日本の左派はそれを知らずに批判して自分の首を絞めている、本来なら民主党政権下でやるべきことだったのに、みたいな話は以前から耳にしていた。)
アベノミクスの背後にある、いわゆる「リフレ派」の考え方が、金融緩和と財政出動を基本とする左派的な傾向のものだということを、今回の選挙で野党が理解しないで的外れな批判しているのをみて、安倍首相はさぞ、こいつらまんまと俺の思い通りに踊りやがって、と、ほくそえんでいることだろうというのが、松尾匡の推測で、そのことをちゃんと野党が自覚しないと、本当に憲法改正までこの勢いでもって行かれちゃうかもよ、と警告している。
安倍首相が本当にここに書かれているような綿密な戦略をたてているのかは分からないし、この話が一種の論理的フィクションだとしても、いかにもありえそうなヤバい感じではある。
アベノミクスが、大企業と金持ちだけを潤すというのは間違いで(そういう批判をしていると後で痛い目にあうだろう、と)、実際、しばらくすれば景気の良さは一定の広がりをみせるだろう、と。そして、もし本当にそうなれば、ますます安倍政権は安泰になってしまう。《2016年7月の天王山選挙では、野党の過去の「アベノミクス失敗」の言葉の数々が、安倍さんの「栄光」を讃える材料として使われることになるだろう》。そうなる前に、野党は(古い偏見を括弧に入れて)もっとマクロ経済の勉強をしろ、と、そうしないと勝ち目はない、と、《安倍よりもっと好況》が民主主義を守るのだ、と、そういうことが書いてある。
●勿論、ぼくには「リフレ派が本当に正しいのか」ということを判断できるような能力はないけど、それを確かめるためにも、リフレ派路線の安倍金融政策はもう少しつづけてみてもらいたい、と、思うようにはなってきた(本当は、安倍政権ではない別の政権にそれをしてもらいたいのだけど…)。