●深夜アニメ。『放課後のプレアデス』8話は、ぼくが勝手に「相対性理論的な感情」と呼んでいるタイプの話だった。まあ、『トップをねらえ!』そのままという感じ。「トップ」では、ノリコとお姉さまペアの最初のテスト的な仕事が太陽系の周縁地帯であり、それは高速で移動する二人にとっては数十分の仕事だけど、地球では三か月経っていて、二人が帰ると同級生たちは皆卒業してしまっている(「トップ」は、相対性理論が主役とも言える話なのに、エーテルがあるという設定になっていたりして、設定が凝っているというか、ひねってある)。「トップ」では、このようにして、主人公ノリコの時間と地球の時間とのズレがどんどん大きくなってゆく。
でも、「プレアデス」では、光速に近い速度で移動するななこの半日間と、地球で待機する女の子たちの三か月との時間のズレが、最終的には同期することになる。ななこの半日と地球の三か月のどちらに収束するのかは事前には決定できず、それがどちらに収束するのかがオチになっている。ネタバレになるけど、地球の三か月に収束した場合は、ななこに三か月の空白ができてしまうのだが、ななこの半日に収束すれば、地球の女の子たちは時間が重複するけど、ななこの欠落(ズレ)はなくなり、まあ、めでたしめでたしになる。
ここで気になるのは、このオチが、第8話を「いい話」としてまとめるためのものなのか、それとももっと大きくみた、この作品全体の伏線になっているのだろうか、というところだ(未知数が二つある問題の解が決まるためには、式も二つ必要だ、という数学の授業を地球で登場人物たちが受けていたのだけど、これは伏線になっているのだろうか)。
というのも、この「プレアデス」は、設定の構えがすごく大きくて凝っていて、普通に考えればかなり「大きい話」になる感じなのだが(たとえば「まど☆マギ」が、ちょっとひねった魔女っ子モノから、話がだんだん大きくなっていったみたいに)、でも、既に8話まで来ているのに、いままでのところの展開では、話が大きくなる気配がまったく見えない。このまま、女の子たちの放課後魔女活動的な話で終るのだろうか。だとしたら設定が贅沢すぎる。どこかでいきなりドーンと驚きの超展開(「トップ」がそうだったように)、というのを期待しているのだけど、どうなのだろうか。出来れば虚淵的な鬱展開ではない方向で。