●祖母の四十九日の法要があった。
祖母は、医者から「覚悟して下さい」と言われてから約二か月生きたのだが、もう食事が摂れる状態ではなかったので、水分だけで二か月生きた(ベッドの脇には、その日に摂った水分の量の記録が置かれていた)。そのためもあってか、遺体はとても小っちゃく縮んでいたし、焼いた後の骨の量も少なかった(長く入院してもいたし)。持っている生命は残さず使い切った感じだった。
ヨーロッパやアメリカの映画だと、深く穴を掘って棺を埋めるけど、小さな骨壺が、墓の下の、石で組まれた小さな空洞に収められた。約二十五年ぶりに開かれた空洞の奥には、祖父の骨壺があった。