●『明日、機械がヒトになる』(海猫沢めろん)を読んでいたら、けっこうヤバいことが書いてあった。「人工神経接続」ってかなりヤバい。以下、西村幸男という、MBI(ブレイン・マシン・インターフェイス)の研究者へのインタビューの部分から引用(p225〜p226)。
《――そういえば気になったんですが、ある人の脳波で他人の体を動かすこともできるんでしょうか。極端な話、脳を載せ換えたりできるんですかね?
西村 原理的にはできます。人工神経接続の原理だと、信号をとってきて別の場所につないでいるので、その線を僕につなぐこともできるわけです。
――そうですよね。それをロボットとかじゃなくて別の人間の体つないだら乗っ取ることが可能なんで、人間が機械のように操れる……。
西村 刺激する人を変えれば、それは原理的にできるわけで。
――インターフェイスがあればつなぐものはなんでもいいわけですね。
西村 はい。最近そういう実験をしているグループがでてきているんですけど、僕ら生理学者なのでそれがどういう意味があるかいつも考えながら実験しているんですね。つなぐこと自体は、技術的にすごく簡単なんですよ。
――脳だけが死んじゃった人が検体して、脳死の人に載せ換えたら治っちゃうとかもありえるんでしょうか?
西村 細胞が死んでいなければ可能ですね。
――すごいSF感ですね。楳図かずおの『洗礼』みたいだ。
西村 川人先生とかはアメリカのデューク大学のサルの脳活動をとってきて、インターネットで遠隔で飛ばして、ロボットを動かすということをしていました。あれ、人と人とでもできるわけですよ。》