●二、三日前に、南鳥島の海底に貴重なレアアースを含んだ鉱物資源が大量に発見されたというニュースをみたのだけど、早速「サイエンスゼロ」でその特集をやっていた。
●直径10センチくらいに成長するのに数千万年以上かかるというマンガンノジュールやレアアース泥が(そして南鳥島自身が)、太平洋の東の端から、一億年以上かかって徐々に資源を濃縮させながら、プレートの移動によって西の端の方の現在の位置まで運ばれてくる。そして、現在の我々は深海にあるそれらを発見し採取し得る技術的条件をもっている。それらは、現代社会を支える高度な情報技術にとって必須のマテリアルであるレアアースを多く含む貴重な資源である。それにより、そこがたまたま日本の排他的経済水域であったということが、経済的、政治的にも大きな意味をもってしまう(現状ではレアアースの生産は中国がほぼ独占している)。なんというか、自然と技術と経済と政治が混然一体となっているなあ、きな臭いなあ、と。経済的にも政治的にも、大きな発見だと思うのだけど、紛争の火種とかにならないといいなあ、と。
とはいえ今のところ、深海にある資源を採算がとれる(産業化できる)かたちで採取する技術はないようで、資源があってもそれを本当に使えるのかどうかは何とも言えないみたいだ。見えるけど、手が届かない、と。なので、早急に何か揉め事の種になることではないと思うけど。