●「astronaut.io」にはまっている。
http://astronaut.io/#
以下、説明は「WIRED」から。
《「Astronaut.io」は、低周回軌道から見た地球の姿を背景に、ランダムな映像を延々と流しているサイトだ。》
《その基準とは、1週間以内にアップロードされ、タイトルに一般的なファイル名(IMG、MOV WMV)が含まれ、視聴回数がゼロのものだ。》
《各映像が流れるのは10秒以下で、よく見ようと思った途端に次々と変わっていく》
《「電車に乗っているときのような感覚です。車窓に何かが見えて、『いまのは何だ?』と思ったときにはすでに遅く、景色は過ぎ去っています」とウォンは言う。》
《ウォンとトンプソンが「Astronaut.io」をつくり始めたのは2011年のことで、最初はTwitterの映像を使っていたという。「いまとは全然違うものでした」とウォンは言う。「広告や騒々しくて派手な映像だらけで、ぼくたちが目指していたものとは正反対でした」。それから2人は、彼らが求めている「平凡なホームヴィデオ」の美しい側面を見つける最良の方法は、ほとんど見られることなく、きちんとしたタイトルすら付いていない映像を探すことだと思いついた。「YouTubeで『IMG』などの言葉で検索してみたら、何千という映像が見つかりました」とトンプソンは言う。「それは素晴らしかったですよ」》
http://wired.jp/2017/04/03/astronaut-io/
●超俯瞰の地球の画像を背景にして、YouTubeからランダムに選ばれた「視聴回数ゼロ」の動画が次々と流れ去ってゆく。柄沢祐輔さんは、現代建築の特徴として、概念的な一望性と身体的個別(特殊性)性の両者が折り重なっていることだとして、それを虚の不透明性と言うのだけど、「astronaut.io」も同様に、一望性と個別性との切断されたままの接合であり、しかも、その個別性が留めることもできずにどんどんと流れ去っていってしまう。これもまた、強力に幽体離脱的なコンテンツだと思う。
(YouTubeの本当のすごさは、視聴回数何百万という動画が観られることにあるのではなく、見ず知らずの人の撮った視聴回数ゼロの動画を観ることができるということにこそあるのだと思った。)