●お知らせ。けいそうビブリオフィルで、「虚構世界はなぜ必要か?SFアニメ「超」考察 第20回 人間不在の場所で生じる人間的経験/『けものフレンズ』」が公開されています。
http://keisobiblio.com/2017/06/21/furuya20/
今回は、スピルバーグ、ヴィヴェイロス、中沢新一の他に、ブログ「『ソウル・ハンターズ』を読む」を参照しています。
https://ameblo.jp/soulhunters/
夏至だ。昼間は雨だったが夕方には上がったので、午後七時を過ぎても薄明るいなかを散歩した。これから、一日ごとに日が短くなっていくのが悲しい。
●以下の引用は、セールが、アニミズムこそが物理学を生んだと主張しているところ。『作家、学者、哲学者は世界を旅する』より。
《(…)彼(ガリレイ)の実験によって初めて生まれたのは、代数学の形式的言語と実験操作を混淆した、数学的な物理学なのだ。》
《実験とその操作によって生まれる、ハードで(dur)、大量で、エントロピー的な規模のエネルギーに比べると、ほとんど無限に小さい情報のエネルギーのことを、ソフト(douce)なものと呼ぶことができないだろうか?》
《(…)柔らかい数学は、堅い世界をコード化しているのだ。》
ガリレイはそんな風にはっきりと言わなかったが、プラトンは彼より前に、世界が数学の言語で記述されると述べている。---彼の『ティマイオス』に登場する造物主は、世界霊魂について語っており、混沌の魂に数学的な形を与えていた。とはいえ哲学者は、不毛な道を選んでしまう。---彼は三角形の幾何学や等差数列の周期性そのままのモデルから、あるがままの世界のすべての事物を演繹しようとしていた。彼はあらゆる物体を、魂だけから演繹できると考えたのである。変化した姿やメタモルフォーゼではない、物体の諸部分を、この魂そのもののうちに見出そうと思ったのだ。そうは言っても、世界の事物はユークリッドがその定理で行ったようには、公理からは演繹されないのである。》
ガリレイプラトンの不毛なアニミズムを転倒することによって、そこに方法を発見する。彼はそれぞれの事物の物体(Corps, 身体)から出発して、敢えていうなら、それらの衣装を剥ぎとって、その特異性のうちに、この部分の数学、この部分の方程式、この部分の関数といったものを発見するのである。彼の実験は、物体のマントを引き裂き、そうしてできた穴から、その物体が占めている特殊な眺望(Site)から、魂の小さな鏡に映ったものを眺めようとするものだった。その特異な眺望を通じて、そこには世界の巨大な魂の部分的な眺望が映っているのである。》
《メタモルフォーゼの瞬間には、裸体になるついでに、魂があちらこちらで輝いて見えることがある。それぞれの実験から一つの公式が生まれ、それぞれの物体から魂の一部を見ることができるのだ。》
ガリレイアニミズムに身体(物体)を、風景の物理性を、さまざまな衣装を、マントの色とりどりの多様性を、経験を回復させる。二次方程式がまさに表すのは、落下する重い諸物体(Corps)から、パースペクティブよろしく、数学の全体がどんな角度のもとに見えるのか、ということである。そんなわけで、それぞれの物体は、世界の数学的な大いなる魂から投影された断片を持っているのだ。》