●下の動画で、西村博之が言っていることはすごく重要だと思う。ひろゆき孫正義が非国民?勘違いしてる人にスゴさを説明します」
https://www.youtube.com/watch?v=I_sYzJ1gOvo
大きく言えばタックスヘイブン問題というか、租税競争(税金安売り競争)の問題。税金(法人税)を安くすることで多国籍企業やお金もちの富を取り込もうとする国々が競争する流れが、国際的なお金の流れにすごく大きな影響を与えている。まあ、ぼくも最近勉強して知ったことなのだけど。それに対して健全な税制度を守ろうとするOECDが戦っているけど、OECDのなかにもタックスヘイブンの国はあるから、これも一枚岩ではない感じらしいのだけど。
(西村博之さん自身はきっとリバタリアンだろうから、これをそんなには「問題」だとは思っていないと思うけど。)
この動画でもチラッと触れられているけど、IKEAの租税回避システムというのを人から教えてもらったのだけど、美しいパズルのようで、強欲で頭のいい人たちの考えることはすごいなと思った。
●下の記事がけっこう分かりやすい。経済のグローバル化の問題は、貿易ではなく、資本の自由な移動にある、とケインズも言っていたらしい。
http://news.ameba.jp/20140128-41/
福祉国家であり「重税国家」としても知られるスウェーデンは、2004年に贈与税相続税を、2007年に資産にかかる富裕税を廃止してしまった。そのきっかけは、世界最大の家具販売店イケアと、食品用紙容器の大手テトラパックの創業者一族がスウェーデン国籍を放棄したことだという。これはいまや欧米だけの問題ではなく、日本でも大手企業の創業者やCEO、株式を上場させたベンチャー起業家などがシンガポールに移住している実態が明らかになった。》
●『タックスヘイブンの闇』(ニコラス・シャクソン)によると、ここ三十年くらいで、富裕層や企業の支払う税額はかなり低下していて(利益は増加しているのに)、その一方、富裕層ではない労働者の所得税社会保障費の負担は、三十年にわたり上がりつづけている(賃金は横ばいのままなのに)。これはなにも日本だけの問題ではなく、世界的な問題で、その主な理由はタックスヘイブンにあるのだ、と。お金持ちや企業に対する税率を低くしておかないと、みんなタックスヘイブンに逃げてしまうから、どこの国も税率を上げられない。
ただ、この本は原書が出たのが2011年だから、データとしてはおそらく10年前くらいまでのものを元にしていると思われる。最近では、パナマ文書の流出があったり、OECDもけっこうがんばったりしているみたいだから、状況は多少変わっているのかもしれない。