●ひきこもって、原稿を書く。けいそうビブリオフィルの連載の目標の一つに、出来る限り分かりやすく、論理的に明快に書く、というのがあるのだけど、今書いている最終章に限っては、そうとうややこしい話になってしまっている。一読して、すっと理解できるという感じではないかもしれない。でも、ここに踏み込まなければ、ここまで書いてきたかいがないので、ここがややこしくなるのは仕方がない。そもそも、書いているぼくの頭がそこについていけるのかが心配なのだが。
それにしても、『君の名は。』は観れば観るほどとてもよく出来ている。映画館ではじめて観た時、いきなり冒頭の彗星の落下の場面がすばらしくて、おおーっとテンションが上がるのだが、次のナレーションが、「朝、目が覚めるとなぜか泣いている」で、うわ、これはきっついやつかもと思ったのだけど、それは杞憂で、すばらしい場面が次々とつづいて、最後まですばらしかった。
特に坂道の描写がすばらしい。アニメ史上、最も坂道の表現が多彩な作品なのではないか。坂道、高低差、空の高さ、地形。