2019-06-26

U-NEXTで『きみの鳥はうたえる(三宅唱)を観た。

いまさらだけどすごかった。普通に、とてつもなく、素晴らしい。初見での感想としては、最初から最後までずっと打ちのめされっぱなしだった、というくらいしか言葉がない。

「若い」ということそのものに不可分にくっついている、幸福、停滞感、寄る辺なさ、どうしようもなさ、を、ケレンもひねりもなくベタに引き受け、それでいて映画としてとんでもなく高度な、かっこいいものにしてしまう。

こんなことが実現可能なのか、と、とにかく驚かされた。

●女一人に男二人という関係で、劇的な三角関係にならずに関係がふわっと推移していく的な話の映画は、それこそ『生活の設計』から『はなればなれに』から『ストレンジャー・ザン・パラダイス』から、山のようにすごい作品たちが過去に既に存在していて、いまさらそれをやってもあざといだけというか、また、それなりによい作品になったとしても、まあ悪くないけどねくらいの反応しかできなさそうだという感じをもっていたのだが、そういう思い込みをものすごい高見からぐわーっと超えられた感じ。