2020-01-27

●引用、メモ。小鷹研理さんのツイッターより。人間の知性における、視覚的記憶(写真記憶)と言語の仮想性・量子性と左右盲の関係。とても面白いし、深く掘っていけるような話だと思った。

https://twitter.com/i/web/status/1221369126100201472

《最近、うちの4歳の子供が神経衰弱にハマってて、僕なんかよりよっぽど強烈な視覚記憶を持っていることに驚いている。で、この種の話、俗説としては、世界的に広く知られているものらしい(知らなかった)。ただ、ちゃんと心理学的に検証したものは少ない。これは最近の論文。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1053810018305415

《この論文によると、6歳児のパフォーマンスは大人を凌ぐが、8歳になると大人と同等にレベルが下がる。神経衰弱は、現実世界で滅多にお目にかかることのない認知課題なのだと。> It is suggested that Concentration may represent a cognitive challenge rarely encountered in the real world,》

https://twitter.com/kenrikodaka/status/1221623623804280832

《子供の神経衰弱につき合っているなかで、言語的知性の本質は、現実の恣意的な入替可能性にこそあるということを実感できるようになった。(僕は既に失った)カメラ的知性では揺るがしようもない端的な事実性が、個別の概念に投射された瞬間に、別の概念からの容赦ない転覆の危険に晒されるようになる。》

《この言語の仮想性・量子性が、日常的な場面でもっとも象徴的に露わになるのが、情報量にすれば1ビットにしかならない(すなわち機械にとって最も知性的ではない)学習済みの二者択一的状況(アクセル or ブレーキ)において、しかし、僕たちがしばしばその決定に途方に暮れてしまうことにあると思う。》

《僕は以前、高速道路の渋滞で、前の車にぶつかるギリギリの場面で、アクセルとブレーキの区別がつかなくなって、もう間に合わない!!というところで、神にも祈る気持ちで、一方(左側)のペダルをグッと踏み込んだことがある。だから、コンビニに突っ込む車があるというのは、体感としてよくわかる。》

《この種の問題を考える時、左右盲(男8.8%、女17.5%)に関する議論は示唆的(左右盲は角回の障害と考えられているが、果たしてそれは障害なのか?)。この「二つに一つの状況を取りちがえること」こそが、しかし、人間の知性の源泉なのだという視点について、しばし熟考中。》