2020-08-30

●『MIU404』、第十話。ますます「攻殻」っぽくなってきた(最後に、部署解体の危機が訪れるというパターンも踏襲されている)。Netflixの新しい「攻殻」シリーズよりも、こちらの方がずっと「攻殻」っぽい。次回が最終回だそうだが、菅田将暉がどのような人物として造形されているのかが気になる。菅田将暉が体現する「大きな悪」がどのような形のものであるのかということが、このドラマ全体の説得力にかかわってくると思う。

●そういえば、麻生久美子が第四機捜をつくったのは「働き方改革」の推進のためなのだった。麻生久美子にとっての「正義」は、まずそういうところから始まる(これが「手続きの正当性」へのこだわりにも繋がるだろう)。それはアラマキの「正義」とはやはりかなり違っていて(公安九課は「手続きの正当性」をすっとばした、電脳戦と荒事を得意とする)、そういうところに神山版「攻殻」に対する批評がある、とは言えるか。

だからこそ、休暇を返上してまで捜査をつづけるということは深刻な緊急事態であり、それ自体で既に足元の「正義(手続きの正当性)」が揺るがされているということになるだろう。その意味でも菅田将暉は大きな(困難な)敵なのだ。