2020-12-14

YouTubeで動画を観ていると、八十年代のプロ野球選手は、今の選手とくらべてずいぶん線が細いという印象がある。高校野球の選手とそんなに変わらない感じさえする。

おそらく、昔の価値観だと、ウェイトトレーニングなどで体をつくるのは悪いことで、ひたすら、走りこんだり、振りこんだりして体をつくることが良しとされていたので、そんなに体が大きくならなかったのではないか。

詳しいわけではないが、おそらく積極的にウェイトトレーニングを取り入れるようになるのは、巨人の桑田くらいからだったのではないか。そして、九十年代になると徐々に、選手たちが全体に、体ががっちりと太い感じになっていく。

で、昨日につづいて落合だが、82年に最初に三冠王になった年のインタビューでは、ホームラン王になれるとは思わなかったし、もう二度となれないだろうと言っていて、将来的に四割打てたら最高だと言っている。つまり、その時点では自分は長距離を打つバッターではないと自覚している。

しかし、85年に二度目の三冠王になったときは、ホームランを52本も打っている(82年は32本)。そして、見た感じとして、82年と85年とでは体の太さがかなり違っている(首の太さとかも)。おそらく、この三年の間に、意識的に体を太くしたというか、体を作り替えたのではないだろうか。

(ずいぶん昔だが、落合信子さんが、夫のことをヘラクレスと呼んでいる、と発言しているのを聞いたことがあるような気がする。)

落合が、ウェイトトレーニングで体を太くしたとはあまり考えられないが、しかし、打率四割を目指すよりも、ホームランの数を増やす必要性(チーム事情なのか、年俸を上げるためなのか)を感じて、なにかしらのやり方で意識的に体を変えていったのではないか。

これらのことは、(動画を観ながら妄想しただけの)きわめて根拠の薄い憶測でしかないが、みんなが細いときに、意識的に太くする、ということを、自分で考えて実行する、というところが、圧倒的に新しかったのではないか、と。