2021-04-20

●『大豆田とわ子と三人の元夫』、第二話。今回は岡田将生回。このドラマに軽さ(軽やかさ)を生んでいるのはおそらく、松たか子が三人の元夫の誰かと復縁するという(湿った)展開になる可能性がほぼないということを確信させる雰囲気を松たか子が出していることによるだろう。前回は松田龍平と、今回は岡田将生と「いい感じ」になる場面はあっても、それが縒りを戻すきっかけになるとはまったく感じられない。松たか子には鉄壁がある。ただし、その壁に対して、娘(豊嶋花) が呪いを呼び込む重大なセキュリティホールとして存在する(うさぎのヌイグルミ)。

元夫たちは、松たか子に対して未練を抱いてはいるが、もう一方で、恋愛に至る展開に発展しそうな新たな女性との出会いが三人とも既にある。元夫たちにとって松たか子は「良い過去」としてあり、それに対して出会った女性たちは「新たな未来」への可能性としてある。元夫たちは、過去と未来との引っ張り合いとしての「現在」を生きている。松たか子はといえば、過去に対する未練もなく、未来につながる新たな出会いもない(前回は斎藤工、今回は川久保拓司が、未来への可能性として登場するが、発展する前に可能性は潰える)。だから松たか子には、今のところ「現在」しかなく、その現在は主に、会社、家庭(娘)、親友(市川実日子)によって構成される。また、セキュリティホールである娘によって、その「現在」に(既に過去として視界から外れているはずの)元夫たちが入り込んでくることになる。

今回が岡田将生回であるというのは、この回で岡田将生は一応、過去(松たか子)に対する執着を捨てることができたということだろう。終盤、松たか子岡田将生からかけられた言葉を「苺タルト」として受け取る。岡田の言葉が「苺タルト」たり得るのは、松にとって岡田は「元夫」ではなく「会社の顧問弁護士」であるからだろう。だから松は岡田に、夫婦ではなくなっても、共に現在を生きていると思っていると言い、その言葉が今度は岡田にとっての「苺タルト」となり、それが岡田に執着を捨てさせる。

●このドラマのきびきびしたリズム。たとえば、洗濯かごをひっかけてコーヒーをこぼす松たか子に対して、角田晃広が撮影機材でコップを落としそうな時に、さっと手で食い止める松田龍平との対比がさっと示される。あるいは伏線。松田龍平が、自ら口にした「恋の六秒ルール」の呪いに、自らがハマってしまう。そして、小道具としてのノコギリの活躍。

●エンディング曲、毎回ラッパーが変わるシステムなのか。今回はBIMと 岡田将生。BIMはドラマに2カット出ていた。