2024/04/23

⚫︎良い作品はそれ自体で良い作品であり、あまり良くない作品はそれ自体であまり良くない作品だ。例えば、作品に一つ一つ点数をつけていって、ベスト10にまで入るのが良い作品で、それ以降はいまひとつのものだ、ということではない。歴史に残るような傑作にだけ意味があるのではない。

とはいえ、人が読むことのできる量には限りがあり、記憶できる量にも限りがあり、持続的に関心を持ち続けられる量にも限りがあるから、結果として、ベスト10以下は切り捨て、のようなことが、そうとは意図せずに起こってしまう。

今日読んで、しみじみと良いと感じた作品や、その良さの感覚は、しばらくすると、それを読んだという事実からして忘れられてしまうかもしれない。とても幸福な夢の感触が、目を覚ましたら程なく消えてしまうように。

しかしそれでも、たとえ忘れられてしまうとしても、良いものは良いものだし、その良さに触れることには大きな意味がある。幸福な夢を見ることは、たとえ目覚めてすぐに忘れてしまうとしても、幸福なことだ。そういうことについて書かれた小説を読んだ。

今日のこのことを忘れるのか、忘れないのかは、今の時点では分からない。