2024/06/14

⚫︎展覧会では、二種類のシリーズを展示した。「人体/動き/キャラクター」のシリーズと「文房具絵画」のシリーズ。「人体/動き/キャラクター」シリーズの作品には、普通に美術作品として相応な値段を付けているが、「文房具絵画」シリーズの作品は、展示の一部を持ち帰る的な、お土産的な値段になっている。美術館に展示を観に行って、図録とかグッズを買って帰る、その図録やグッズくらいの値段。

いろがみを、ちぎって貼り付ける。あるいはちぎったものを組み合わせてクリアファイルに挟んでスキャンする。あるいは、ちぎったものを折りたたんでラミネート加工する。あくまで、安く、手軽に、しかしそれでも充分に「観るに値する」ものを作る。それが「文房具絵画」のコンセプトだ。

ラミネート加工の作品は、展示の直前に思いついた。この日記でも「紙を折りたたむ」として何度かスキャンした画像をアップしている、ちぎったいろがみを折りたたんで作った半ば立体的なオブジェクト(折りたたんでいる時は彫刻的というか、三次元的な意識で作っている)が、ダンボール箱いっぱいにあって、しかしこれらのオブジェクトは、以前からずっと作っている紙をちぎってねじって作る立体と同様、あまりにフラジャイルで、どのように展示すれば「観るに値するもの」として構成できるかよくわからないままだった。

(作っている時の感覚を殺さないままで、もう少し「強い」ものにできないか、と。)

ある時ふと、ラミネート加工してみればいけるのでは…、と思った。ラミネート加工によって、半立体的なものが平面に圧縮されること、複数のオブジェクトを組み合わせて構成できること、その際に支持体が透明で「向こう側」が透けて見えること、そして、裏側からも観られること、などが面白いのではないかと思った。

「モノ」としてはとても安っぽい。何しろ、市販のいろがみを、ちぎって、折りたたんで、組み合わせて、ラミネート加工しただけのものだ。しかしそこに、ある程度は「驚くべき出来事」が成立しているはずだと考えている。安く、手軽で、小さいが、ある程度以上の「感覚的強さ(手応え)」を惹起する出来事を「そこ」に出現させることができたのではないか、と。

それを、手軽な価格で(しかし、少額とはいえお金を支払って)持って帰ってもらえるといいと思った。

(以下は、「文房具絵画 紙を折りたたむ」より)

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