⚫︎リンチの『マルホランド・ドライブ』をU-NEXTで。最近、長い映画を観るのは体力的にきついというか、いや、実際に観初めてしまえば全然大丈夫なのだが、観ようと決意するまでの心理的なハードルが高くなってしまっているから、途中で集中力が緩んだ感じになったら躊躇なくいったん休むことにしていて(そう決めておくと気軽に観始めることができる)、実際、2時間を超える映画を観るときは一回くらいはトイレ休憩(+二杯目のコーヒーをいれる時間)を挟むことも多くなってしまっているが、これに限っては、2時間20分があっという間に過ぎ去った。夢中で追っかけているうちに、え、もう終わり ! 、という感じ。面白すぎる。すべての部分が面白いし、ぎゅっと凝縮されている(『ロスト・ハイウェイ』はちょっと冗長なところもある感じで、それはそれで作品の特異性でもあるのだが)。
ラストの25分くらいが、謎解きというか、ネタばらしの時間だが、初めて観るならともかく、もう何度も観ていて(リンチ論を書いてさえいるので)「ネタ」は割れてしまっているわけで、にもかかわらず、ネタばらしの部分すら表現として弛緩することなく充実していて、とても面白いのだ。