⚫︎図書館から届いた本。『現代本格ミステリの研究 「後期クイーン的問題」をめぐって』(諸岡卓真)。

序章と第一章をぱらっと読んでみたのだが、寝そべって読んでいたのが思わず姿勢を正してしまう感じの、これは「いい方の研究の本」だ、と思った(つまり、「悪い方の研究の本」も案外多いものなのだ)。
第一章では、「後期クイーン的問題」とは実作において実質的にどういう意味をもつものであったのかということを整理しつつ、具体的に『人魚とミノタウロス』(氷川透)という作品にあたって検証(というか、例示)している。この検証(例示)もまた、かなり攻めて、踏み込んでいる。その手つきも信用できる感じ。
ただ、『人魚とミノタウロス』は未読の小説なのでAmazonで検索してみると、いきなり「29980円」という値段がついていてゲゲッとなった(ついで、「日本の古本屋」で検索すると「在庫なし」だった)。もう一冊、6299円という値段で出ているものもあったが。
古本が異常に高騰して重要書にアクセスできない問題はどうすればいいのか。市場で高騰する一方で、「ノベルズ」という出版形態だとおそらく図書館ではあまり大事にされないのだろう。市立図書館にも県立図書館にも蔵書されていなかった。