2025-10-03

⚫︎U-NEXTで、『オリバーな犬(Gosh !! )このヤロウ』のシーズン2(4、5、6話)を観た。これは素晴らしかった。シーズン1より数段パワーアップされていた(シーズン2を観ると、シーズン1はまだ幾分か「わかりやすさ」に対する遠慮があったのだなあと思う)。演出はよりキレキレに、展開もより自由闊達になり、ただただ楽しかった。終始、おお、やってんなあ、という感じで、こんなに楽しい作品はそうそうはないと思った。途切れることなくずっと楽しかった。

シーズン1よりもさらにオールスターキャストで、有名俳優を湯水のように、ほとんど「出オチ」として使うという(コネを使いまくった)演出はチートと言えばチートだが(このあからさまな「チート感」もまた「楽しい」のだが)、こんなことができるのは、オダギリジョー以外ではかつての大林宣彦ぐらいではないか。さらに、ここまで有名俳優たちを使い倒しておいて、最後にはオレ様(オダギリジョー自身)がすべてをさらっていく、オレ様が一番、という、清々しいまでの不遜さに笑ってしまった。

物語的には、ラストの落としどころはまあこんな感じだろうという想定内だけど、物語とは別のレベルで驚くべきラストだった。あえて言えば、デヴィッド・リンチから鈴木清順へ、みたいになって終わる。

(ここまでやり切ったら、映画版で、同じ感じをもう一度、というわけには、それはいかないだろうなあと納得する。ここからさらに突っ込んでいった結果が、あの映画なのだろう。)

追記。シーズン2では、オリバー=おっさんというわかりやすいキャラ設定に、オダギリジョー自身がすでに飽きている感じがあって、エロおっさんキャラでわかりやすく笑いを取るというような場面がかなり抑制されて、たんに「口の悪いバディ」みたいになっている。おっさんキャラであるというよりも、犬であり同時に人であるという両価性の方に重きが置かれ、それに引っ張られるように、佐藤浩市もまた「犬性」の強いキャラクターへと変質していく(佐藤はところ構わず放尿するし、オダギリと佐藤は、互いに尻の匂いを嗅ぎ合い、ラストシーンでは隣り合って客席に座り、ともに「人間の愚かさ」を距離をとって眺める非人間ポジションにつく)。そこがまた面白い。