⚫︎『ちょっとだけエスパー』、第四話。ようやく面白くなってきた。野木亜紀子らしい密な展開だった。とはいえ、素晴らしく面白いというほどでもないかなあ…、という感じ。
細かいことだが(批判するというほどではないが)気になったこと。大学で、北村匠海の女性の好みを聞き出そうとして、大泉洋と宇野祥平が食堂にいる友人らしい男性に接触する場面で、この友人の男性の像が、いかにも「理系の男子学生」という紋切り型的偏見によって作られている感じが気になった。あと、大泉洋と宮崎あおいがデートしていて、お互いに「好きなこと」を言い合う場面で、「雨上がりの匂い」と言って共感するのだが、「好きなもの→雨上がりの匂い」というのは、今やちょっと使えないレベルでの紋切り型なのではないかと思うのだが…。こういう細かいところで、イマイチ切れがないなあと感じてしまった。
大泉洋が、とてもわかりやすく褒められて調子に乗り、とてもわかりやすくやきもちを焼き、とてもわかりやすくさらに増長していい気になり、そして、とてもわかりやすくどんどん宮崎あおいを好きになっていく。このドラマは、このような「わかりやすい」人が主人公で、だからこそ大泉洋がキャスティングされているのだろうが、あまりにも明快にわかりやすいので、話の展開がどうにも「段取り」っぽく感じられてしまう。これは「言いがかり」に近いレベルのことかもしれないが。
(「あなた方は(ちょっとだけ)ヒーローです」とか「あなたにリーダーをやってもらいたいと思っています」とか言われて、簡単にその気になってしまう「大人」って、ちょっとどうなの ? 、と、どうしても感じてしまう。宮崎あおいを好きになってしまう過程もまた、思い切り「定型通り」に(あるいは、誰かの仕掛けにまんまと乗せられてしまっているように)見えてしまう。この「定型通り」こそがこのドラマにおける何かしらの「企み」である可能性はあるが。)
岡田将生が、何かしらの理由(自分の都合)で、「この世界」を黒幕的にコントロールしようとしているのは明らかだが、それに対抗する勢力が現れた。その勢力は「若者たち」のグループのようで、親と子であるような世代の違いが仕込まれていて、世代間抗争のようなものが始まる気配。
(最初は、北村匠海が「(大泉洋に)騙されて」腹筋させられている、と思いきや、実は、ディーン・フジオカの方が「(新原泰佑に)騙されて」腕立てをしていた、という「若者 / 大人」「騙される / 騙す」の反転から、ドラマの流れが変わる。)
第一話の冒頭で、ビルから飛び降りる直前の大泉洋が歌っていた歌(ぶんぶんぶん / 蜂が飛ぶ)を、今回、宮崎あおいが漬け込んだ梅干しを干すために樽(?)から取り出しながら歌っていた(梅干しづくりに使っている漬物石は彼女と「本当の夫」との思い出の品だ)。また、二人でお揃いのミツバチのアクセサリーを買う。この、あからさまに伏線めいているためにかえってフェイク伏線ではないかとも思える細部が、二人が、実は以前からすでに関係があったのではないかということを匂わせる(大泉洋の役名が「文太」だから「ぶんぶんぶん」ということでしかないのかもしれないが)。
(大泉洋を、宮崎あおいが当然のようにすんなり「夫」として受け入れてしまっていることについて、宇野祥平が「それだって説明つかないじゃないですか」と言うのだが、この辺に何か秘密がありそうだということは、誰でもが思うだろう。)
ノナマーレのメンバーで、宇野祥平とディーン・フジオカの過去はある程度明かされているが、高畑淳子の過去は未だ謎のままだ。彼女の過去と、彼女が使う超能力が「電磁波」にかかわるものだということが、今後の展開で効いてくるのだろうか(ということが、あからさまに匂わされている)。そして、大泉洋の過去も、実はまだ謎だらけなのだった。