2025-12-14

⚫︎『ぼくたちん家』、9話、10話。7話と8話で少しだけ「現実」の侵入があったが、それ以上の侵入は許さずに押し返し、あくまで「良い人しか存在しない幸福な世界」というファンタジーを貫き通して、最後までやり切った。とにかくそれが素晴らしい。

(最終話直前で「荒ぶる若者」の姿が示され、「ここへ来て不穏要素を入れてくるのか」と危惧したが、そんなことはなくて安心した。)

「お花畑」という冷笑を気にかけることもなく、小賢しい批評的、批判的視点など知ったことかと、堂々と「優しい人しか存在しない世界」を作り上げ、この点において妥協しない。その強さと勇気と大胆さこそがこのドラマの美点で、それを示すことができることが「フィクション」の存在理由(の一つ)だろうと思う。

「現実」に妥協することなく、厳密に「ファンタジー」であることを全うすることこそが、現実に対する(飽くなき)抵抗である。ファンタジーは現実逃避ではなく現実への抵抗であり、それは現実化へ向けた実践の一つでもある。

どんなに笑われようとも、堂々と「お花畑で蝶々を追う」存在であることの肯定を宣言するかのような。これをメジャーな地上波のドラマで実現させたことが素晴らしいと思う。